毎年、夏から秋にかけて、東京都内の学習塾で実施される「ESAT-J対策」。入試対策の一環として受講を勧められるケースが多くなりました。
ESAT-Jは「20点/1020点」(2023年度時点)。はたして、ESAT-J対策を受講する必要はあるのでしょうか?
その疑問に答えるために、ESAT-Jの基本情報や対策の真実、それを踏まえた上での効率的な学習方法をお伝えします。
少しでも不安がある方は最後まで漏らさずチェックしてください。
1.ESAT-J対策の真実を知ろう
「対策」と言われると、以下の2つをイメージする人が多いでしょう。
- 得点を取るためのコツを教えてもらえる
- 英語を話す力が向上する
残念ながら、ESAT-J対策はどちらも違います。しかし、宣伝や広告を見ると、
- 対策をしたことでESAT-Jで「A」評価が取れた!
というフレーズを目にすることでしょう。結果自体は真実かもしれませんが、ESAT-J対策で上記1・2の効果が得られたから、というわけではありません。
- 試験慣れ・問題慣れによる高評価の獲得
ただこれだけです。つまり、問題形式や時間配分を学んだだけ。
- これに高い授業料を支払う必要があるのでしょうか?
分かりやすくするために、他のことに置き換えてみましょう。
【例】志望校の入試問題の内容や試験時間を知りたい
これを知るためなら、書店で過去問集を購入(WEBから無料ダウンロード)し、実際に過去問を解いてみますよね。このためだけの特別講座にお金を払う人はいませんよね。
- しかし、ESAT-J対策だと申し込む人が多い。なぜか?
ESAT-Jの場合、①情報が少ない、②東京都教育委員会(以下、都教委)の資料を見ても詳しくわからない、③そもそも英語を話すのが苦手、などの理由で『不安』になるからです。
- 都教委の無料学習ツールを利用
- 模擬試験を受ける
これだけで充分。つまり、必要な費用は「模擬試験代」のみ。それはなぜか?詳しい内容をこの後に説明しますので、ESAT-Jに対して不安が少しでもある人は、このまま読み進めてください。
2.無駄がないESAT-Jの『準備』方法
手順1.無料の学習ツールで準備
敢えて「対策」とせず、「準備」と記載。前段で記載しましたが、ESAT-Jの準備は、授業料を支払ってやることではありません。
- どのような問題が出題されるのか?
- 回答時間はどのくらいか?
- 類似問題で練習できるのか?
都教委が無料で準備している学習動画・類似問題・過去問動画で、上記3つは充分に対応可能。その理由や無料学習ツールの使い方などは以下の記事にまとめていますので、まだ知らない人は記事の内容を確認してください。
余談ですが、短期間の対策で英語を話す力(スピーキング力)が向上するなどというのはもってのほか。それができるのなら、英会話教室などはすでに廃業しています。
手順2.模擬試験で慣れと実力チェック
- 最低でも1回は模擬試験を受けよう
模擬試験は必ず受験しましょう。最低でも1回。その理由は、①試験慣れ、②実力チェック、この2つです。ESAT-Jは試験慣れさえしてしまえば、高評価が取りやすい試験です(ただし、単語を全く覚えていない、英語の勉強をほとんどしていない場合は、高評価を取れませんので注意してください)。
最近ではESAT-Jそっくりの模擬試験が増えていますが、選ぶ際の注意点があります。
- ESAT-Jと模擬試験には大きな違いがある!
その違いは、ESAT-Jでは「タブレットに録音」ですが、多くの模擬試験では「音声データの送信」となっています。データ送信にはリスクがつきものです。
- データがエラーとなって採点されない
ESAT-Jと同様に、全ての受験者にタブレットを用意することは、模擬試験業者にはできません(資金的な問題)。そのため、音声データの送信という選択肢になったのでしょう。
エラーとなって採点がされず、結果が出なければ模擬試験を受けた意味は全くありません。模擬試験を申し込む前に、受験後にデータがエラーになった場合の対処について、必ず確認をするようにしましょう。
ESAT-Jそっくりの模擬試験について詳しく知りたい人は以下の記事にまとめていますので読んでみてください。
手順3.心配なら直前でもう1回模試を受験
模擬試験の結果が思わしくなかった場合、ESAT-Jの直前、10月下旬から11月上旬にもう一度模擬試験を受けてみましょう(ESAT-Jは11月下旬の実施)。
もちろん、その間に、前述の都教委の無料学習ツールを利用して練習をしておくことをおすすめします。
- ESAT-J直前だと模擬試験の実施がない可能性があります!
調べてみたところ、学習塾でのみ受験できる模擬試験は直前まで実施されているようです(様々な学習塾のホームページの前年部分を調べました)。
そのため、直前でもう1回模擬試験を受けたい場合は、通っている学習塾などに相談してみると良いでしょう。
番外編.出題傾向が変わる可能性は?
ESAT-Jを運営する事業者が変わるということが2023年に発生しました。
- 運営側が変われば出題傾向も変わるのではないか?
こう思って不安になる人は間違いなく多いはず。でも大丈夫、安心してください。
- 中学1年時に実施するESAT-Jに注目せよ!
これはどういうことなのか?その理由には2つのポイントがあります。
- 2023年度より、中学3年生だけでなく、中学1・2年生もESAT-Jを年度末に受験することになった(学年に合わせた難易度)。
- 出題傾向の変化について、都教委が発表している資料を細かく読んでいくと記載がある。
都教委が発表している資料をすべてを読んで理解するのは至難の業。そこで以下の記事に誰でもわかるようにまとめましたので、気になる人はぜひ読んでみてください。
3.お知らせ
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