1.書籍概要
- 書籍名:商品はつくるな 市場をつくれ
- 著者名:和田徹
- 出版社:ダイヤモンド社
- 価格 :1,500円+税
- 発行日:2022年3月15日 第1刷
【書籍帯コメント】
- キリン「伝説のヒットメーカー」商品づくり24の技法
- 才能は不要。誰でも今すぐ始められる。世の中をアッと言わせる、商品のつくり方。
- 新商品・新企画・企業・イノベーション…何かを新しく始めるすべての人へ!
- 売上9兆円!売れ続ける商品の秘訣とは?
- 12年間「ヒットなし」を変えた、とっておきの仕事術
2.読書感想文
①全体所感
発刊から1年が経過して初めて手にした今回の書籍。出会いは突然に、と言わんばかりのインパクトを表紙から受けた。最初に「ハウツー本」なのか?という印象を感じ、軽く内容を確認したところ、序盤は異なっていたので購入に至った。
成功事例としての手法などを実例として公開しているのでハウツー本なのかもしれないが、失敗談などもあり、どちらかというと「商品企画の考え方」「マーケティングの考え方」が学べる内容。企画担当・マーケッティング担当の人は一読してみるのも良いだろう。
全体的な流れは、序盤にマインド面、中盤で実例を用いたハウツー、終盤ではハウツーを交えつつ序盤のマインド面の内容に磨きをかけている印象。ハウツーだけを学びたいという人にも適する書籍であるが、やはり、多くを学べるのは和田氏が経験した内容およびそこから得られる考え方だろう。
淡麗、氷結、キリンフリー、スプリングバレーブリュワリー。麒麟ファンが読んでも楽しめる開発秘話の書籍でもあり、多くの人々へ学びと楽しみを提供できる良書であった。
②本書から学んだこと(フレーズ)
- それは未来を描くこと
商品企画における和田氏の中の根幹。◯◯な商品を作ろう!ではない。その商品を通して、人々の未来がどのように変わっていくのか、変わって欲しいのか。マーケティングなどの学問的知識を先行させるのではなく、大きな夢をイメージすることが、ロングセラー商品を生み出すために必要なのだ。
- 未来をつくれる人は、未来のことを考えた人だけ
急に何か凄いアイディアが降ってくるわけではない。日々考えに考えた結果、それらがどこかで何かに繋がって斬新な企画が生まれてくる。そのために前述の通り、未来を描くことを、理想の世界をイメージし続けることを忘れてはいけない。良い商品は人々の習慣すら変える。iPhoneなどが良い例だろう。
- より良い商品は、より良い未来をつくるもの
売上、利益のために開発された商品ではダメなのだ。人々を幸せにする商品、幸せな未来へ繋がる商品でなければ良い商品とは言えない。どのようなモノでも必ずエンドユーザーがいる。エンドユーザーをイメージすることなく開発されたもの、企業の独りよがりのものは、瞬間的に売れても、継続性はないだろう。
- 競合商品は過去のもの
新商品開発。人々の幸せを願ったより良い未来実現のための商品。そこに競合商品はまだないということ。競合商品との比較・分析はマーケティング分野では必要不可欠な要素。しかし、それと比較できてしまう時点で、未来をより良い方向に変える商品ではないといことになる。
- オリジナリティとは結果であると同時に、その実現に向けた姿勢や情熱が重要
追随商品や真似ではないオリジナリティ。その実現にかかる時間や労力は計り知れない。見つけようとして見つかるものでもない。未来を変えたいと願うこと、そこに掛ける本気の想いとエネルギー。これによって形作られていくものでもある。ピカソも「私は探し求めない。見い出すのだ」と言っている。
- ひらめきは、空から降ってはきません。自分の習慣や努力で引き寄せるもの
あるものを見た時にどう感じるか?常に問題意識を持っていたり、知識を身につけていたり、柔軟な発想力を鍛えたいたり。習慣で同じものが違って見えるもの。普段行かないところへ行く、映画を観に行く、新しいグループに参加してみるなど。刺激を受け取る習慣を実践してるからこそひらめくのである。
- 時代や人が変わっても、変化しないものは、たくさん存在する
変化に敏感でなければならない。企画やマーケティングでは当たり前のこと。変化に追いつく、先を行くことが求められるが、その中で忘れてはならない大切なこと。本質を見落としてはならない。何千年、何万年も変わらない価値観だってある。落ち着いて冷静に変化を見極めていくことだ。
- うまくいっているように思えるときこそ、お客様の視点で何度も見直すべき
企画やマーケティングに限らず、全ての仕事、ビジネスに通じること。人は独りよがりなりやすい。人で形成される組織も同様。何のための商品なのか。良い流れの時こそお客様、エンドユーザーを忘れてはならない。すべてはより良い未来を創造するためにあるのだから。
- 迷ったら原点に戻る
言わずとしれた『原点回帰』。しかし、実践するのは非常に難しい。時に原点すら見失うこともあるだろう。そういう時こそ、何度も出てきている「お客様視点」。そして未来を創り出す熱量。忘れてはならないものは大切に心の中に残しておくこと。メモに残したって良い。いつか必ず原点に戻る時がある。
- すごい人ほど「わかったふり」をしない
企画プレゼンの場面での話だが、日頃の自分の行動に落とし込むことが必要。百聞は一見に如かず。ベテラン社員になればなるほど、当たり前のことを聴くことができなくなる。わかったふりは、いつか時を経て、自分へ大きなダメージを与える。わからないならその場で解消。謙虚に教えてもらおう。
- 同じ目線で仕事ができるように自分を磨いた
専門外の内容であっても、勉強した上で仲間と接しなければ失礼にあたる。専門用語をバリバリ使えというわけではない。誰でもわかる言葉で話すことができるよう、専門知識は必要になる。仲間のモチベーションを上げるには、彼らと同じ目線になること。そのために学ぶことを止めてはならない。
3.お知らせ
筆者はリタイア60の名前でSNSをはじめとした発信活動を行っています。ご興味がある方は是非ご覧ください。