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ESAT-J新しいサンプル問題から分かる変更点とは?無料の対策方法も詳しく解説します

ESAT-J新しいサンプル問題から分かる変更点とは?

東京都教育委員会(以下、都教委)より、令和6年度・中学3年生対象の中学校英語スピーキングテスト(以下、ESAT-J)の概要とサンプル問題が発表されました。今回は大きな変更点は「事業者の変更」です。

 

  • ベネッセコーポレーションからブリティッシュカウンシルに変更

 

この件によるESAT-Jへの影響はあるのか?出題される問題は変わるのか?ESAT-Jの対策方法は変わるのか?この記事で皆様の疑問を解消していきます。

 

 

 

1.実施概要の比較

左:令和6年度概要より抜粋 右:令和5年度概要より抜粋

概要における変更点は2点です。

 

  1. イヤホンマイク+イヤーマフから「ヘッドセット」に変更
  2. Part B が4問から「5問」に変更

 

ヘッドセットへの変更は受験生にとってはプラス材料です。今までのESAT-Jでは「耳が痛い」「音が漏れて聞こえてくる」などの感想が見受けられました。それに対する改善が施されました。

 

評価の観点についてもPart AからDまで大きな変更はありません(事業者が変わるため、採点に関しての判断が若干変化する可能性はありますが、採点基準は都教委が作成に携わっているため、大きな変更はなさそうです)。

 

ただし、問題数が1問増えたことはESAT-Jスコアや対策に影響が出るかもしれません。ただ問題が増えただけでなく、時間配分も変更になっていますので、このあとのPart ごとの解説で確認をしましょう。

 

 

 

2.Part A の比較

左:令和6年度サンプル Part A 右:令和5年度本試験 Part A

令和6年度サンプル問題のPart A は英文の読み上げ問題です。これは令和5年度までのESAT-Jと変更はありません。

 

  令和6年度サンプル 令和5年度本試験
出題数 2問 2問
準備時間 30秒 30秒
録音時間 30秒 30秒
No.1単語数 44語 44語
No.2単語数 45語 48語

 

出題数、時間配分は全く同じです。単語数に若干の変化はありましたが、ほとんど影響がないレベルです。

 

文字のフォントの変更がありますが、これによって読みやすさがスコアに影響するとは考えられないでしょう。

 

以上より、Part A の対策については、今までと何も変える必要はありません。日ごろから音読の練習をしたり、都教委が用意している類題を使って練習したりすることが大切です(※詳しい対策方法は本記事の最後に紹介しています)。

 

 

 

3.Part B の比較

左:令和6年度サンプル Part B 中右:令和5年度本試験 Part B

Part B での評価の観点は「コミュニケーションの達成度」で、今までのESAT-Jと変化はありません。また、「質問に答える問題」と「自分から問いかける問題」の構成も変化はありません。しかし、これら以外に変更点がありますので注意してください。

 

質問に答える問題 令和6年度サンプル 令和5年度本試験
出題数 4問 3問
準備時間 なし 各10秒
解答時間 各15秒 各10秒
場面設定 1つ 3つ

 

「質問に答える問題」では出題数が1問増加しました。また、質問を聞いてから考えるための準備時間が10秒から「なし」へ変化。ここから分かることは『コミュニケーションにおける「即興力」が今までのESAT-Jより求められるている』ということです。

 

これによって「難易度が上がった」という教育関係者がいますが、そう簡単に判断してはいけません。

 

解答時間はそれぞれ5秒伸びています。模範解答は「1文でサクッと答えるレベル」で変わりませんので、伸びた時間を考える時間と捉えれば大きな問題ではないでしょう。

 

さらに注目すべき点は「場面設定」です。今までのESAT-Jでは1問ずつ場面設定が異なりましたが、令和6年度サンプル問題では、1つの場面設定の中で質問に答えていく形式となりました。そのため、コミュニケーションとしては自然な流れになり、受験生にとっては解答しやすい問題へと変化しています。

 

問いかける問題 令和6年度サンプル 令和5年度本試験
出題数 1問 1問
準備時間 10秒 10秒
解答時間 15秒 10秒
場面設定 1つ 1つ

 

「問いかける問題」では場面設定は前の問題からの流れで1つの場面設定ということは変わりません。出題数や準備時間も変更なし。解答時間が5秒伸びたのは受験生にとってプラスでしょう。実は、この1問がものすごく大きく変わっているのです

 

  • 令和5年度は「絵に描かれていないこと」で質問する。
  • 令和6年度は「指定されたこと」を質問をする。

 

受験生からすると「何を質問するか?」を考えることが難しく感じられらはず。「絵に描かれていないこと」ですので「自由な発想で答えられる」と思い、簡単なのでは?と思うのが大人の思考です。

 

令和5年度本試験ではキャンプが題材ですが、家庭の事情でキャンプに一度も行ったことがない受験生もいるでしょう。家庭環境や15年間の経験がスコアに影響してしまい、本来の英語スピーキングの能力の測定から外れてしまうケースが存在していました。

 

令和6年度サンプル問題では「イギリスでおすすめの場所」を質問する問題ですので、上記のような家庭環境や人生経験は関係なくなり、受験生にとって解答しやすい問題になります。平等でより正確な英語スピーキング能力を測定できるようになったと言えるでしょう。

 

これら以外に、細かい部分にはなりますが、イラストがフルカラーからモノクロ(白黒)へと変化しました。つまり、色に関する単語は使用する必要がなくなる可能性が高いでしょう。

 

 

 

4.Part C の比較

左:令和6年度サンプル Part C 右:令和5年度本試験 Part C

Part C については、問題、準備時間、解答時間の変更はありません。イラストがフルカラーからモノクロ(白黒)になったことで、Part B と同様に「色に関する単語」を使用する必要がなくなったのは影響があるかもしれません。

 

注目すべき点は「解答の最初に使う表現を指定されていること」です。サンプル問題では「Last week」から始めるように指示が出ています。イラストの内容に影響はありませんが、話始めの語句が指定されていることで、スムーズに解答に入っていけるのではないでしょうか。

 

今までのESAT-Jから考えても、Part C の難易度を左右するのは、イラストの中身や場面設定の内容です。そのため、サンプル問題から難易度の変化を読み取ることは難しいでしょう。ただ、構成面で大きな変更がありませんので、都教委が用意した類題や過去問を繰り返し練習しておくことで、試験当日のイメージは作れると思います。

 

 

 

5.Part D の比較

左:令和6年度サンプル Part D 中右:令和5年度本試験 Part D

Part D もPart B 同様に大きな変化があります。「自分の意見を述べる(理由も)」という点や準備時間、解答時間に変化はありませんが、以下の3つの点が変わっていることに注意しましょう。

 

  1. 英語の音声が2回から1回に変更
  2. 問題の一部やヒントが画面上に出る
  3. フルカラーからモノクロ(白黒)に変更

 

英語の音声が今までは2回流れていたのですが、今回のサンプルには「2回流れる」と明記がされていません。これまでの傾向通りであれば、明記されていない場合、音声は1回しか流れません。これだけを考えれば「難易度は上昇」と考えられるでしょう。

 

しかし、令和5年度までのPart D は、画面に人が出てくるだけでしたが、令和6年度サンプル問題では「日本語の問題文」「ヒントの単語」「人」が出てきます。3つのヒントがあることで、解答を考える時間が短縮されるだけでなく、音声を聞き取るときの補助的な役割も果たしてくれそうです。

 

これらを踏まえると、難易度は大きく変化していないと判断できますが、英語の音声が1回のみとなるので、Part B 同様に「即興力」が求められることになります。そのため、都教委が用意している学習コンテンツを活用して、日々練習をすることが望ましいでしょう。

 

 

 

6.ESAT-Jの効果的な対策は?

令和6年度サンプル問題を分析して分かったことは以下の通りです。

 

  • 問題は「解答しやすくなった」が「即興力」がより求められる

 

中学生のご子息がいる保護者の皆様に注意してもらいたいのは「大きく変わったので○○講座を受講すべきです」というセールストークに惑わされないことです。英語を使う力=スピーキング力は「短期の講座」では身に付きません。唯一、費用を掛けてもよいのは「本番形式に慣れること」。つまり「模擬試験を受けること」です。これに関しては複数回の受験がおすすめです。

 

日ごろからの練習の積み重ねが何よりも大切ですが、学校の授業だけでは練習不足です。そこで、都教委が用意した無料学習コンテンツのリンクを以下に用意しました。日々の練習として上手に使うようにしましょう。

 

 

これらのリンク先のコンテンツをどのように使えばよいのか?これにつきまして、ESAT-J開始当初から多くの反響を頂いている以下の記事をご覧ください。

 

 

 

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