ビジネス会計検定3級(2023年10月15日施行の第33回試験)を受験し、1問ミス(問題の読み間違えのケアレスミス)で合格。
そんな筆者が勉強した時に作成した「間違えやすい箇所に特化してまとめたノート」の内容を共有します。
ちなみに、この記事の内容だけで合格することはできません。
公式テキストと公式過去問題集を利用して勉強した上で、直前期(または試験当日)にこの記事を活用してもらえると嬉しいです。
※筆者は試験当日までにそれぞれ4周しました。
1.計算書類と財務諸表
会社法とは?
- 株主や債権者の保護が目的
- 事業を行う全ての会社に適用
- 決算公告=株主総会招集通知
- 「計算書類」という
- 貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書・個別注記表
金融商品取引法とは?
- 投資者の保護が目的(自己責任原則)
- 資本市場で有価証券が流通している会社に適用
- 有価証券報告書
- 決算短信→証券取引所が要請
- 「財務諸表」という
- 貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書・キャッシュ・フロー計算書・付属明細書
2.貸借対照表(B/S)関連
2-1.貸借対照表は絶対覚える
~覚えずらかった内容~
- 無形固定資産:のれん、特許権、商標権、ソフトウェアなど
- 投資その他の資産:投資有価証券、長期貸付金、長期前払費用、繰延税金資産(※取引関係の維持、長期的余裕資金運用のための資産など)
- 繰延資産:創立費、開業費、開発費など
~株主資本は細かく理解しよう~
- 株主資本=①払込資本+②留保利益-③自己株式
- ①=資本金+④資本剰余金
- ②=⑤利益剰余金
- ③自己株式の取得は株主への払い戻し。控除項目なのでマイナスすること。
- ④=⑥資本準備金+その他
- ⑤=⑦利益準備金+その他
- ⑥株主からの出資額の1/2を超えない額
- ⑦配当額の1/10+資本準備金(資本金の1/4まで)
2-2.完璧に理解したい用語
建設仮勘定とは?
- 有形固定資産
- 建物などの引き渡しまでに要する支出合計
- 引き渡し後は建物へ計上
棚卸資産とは?
- 商品・製品・仕掛品・貯蔵品・原材料など
- 正常営業循環基準(仕入→製造→販売に至る営業の循環にある項目)によって「流動資産」へ
税効果会計とは?
- 会計上の法人税等と、税務上の法人税等の差額調整
- 貸借対照表(B/S)に計上
- 繰延税金資産=固定資産(投資その他の資産)
- 繰延税金負債=固定負債
有価証券の分類
- 売買目的:流動資産
- 満期保有目的:固定資産(投資その他の資産・ただし1年以内に満期をむかえるものは流動資産)
- 子会社株式:固定資産(投資その他の資産・持ち株比率50%超)
- 関連会社株式:固定資産(投資その他の資産・持ち株比率20%以上)
- その他:固定資産(投資その他の資産)
取得原価の特徴
- 客観的で信頼性が高い
- 購入費用に付随費用を加算した金額
- 時間の経過で資産価値が実態からかけ離れる
- 建物や土地など事業用資産の原則的な評価基準
減価償却とは?(有形固定資産)
- あらかじめ定められた一定の方法で、取得原価を利用期間にわたって、計画的・規則的に各期間に費用として配分
- 土地と建設仮勘定は除く
償却とは?(無形固定資産)
- 取得原価は各会計期間に配分。費用として計上し、取得原価から直接控除され、残高のみ貸借対照表へ計上。
2-3.間違えやすいシリーズ
①間違えやすい流動資産
- 前渡金:購入代金を先払いした時の金額(商品や原材料が入荷後には棚卸資産へ)
- 前払費用:継続サービスの提供を受ける場合の代金前払い分(サービスはあとから)
- 未収収益:提供サービスに対して、いまだその対価の支払いを受けていない額
- 契約資産:例えば、XとYのセット販売の時、Xのみ引き渡したときは契約資産に計上し、Yまで引き渡したら契約資産から売掛金へ。
②間違えやすい流動負債
- 前受金:商品やサービスの提供前に受け取った金額
- 未払法人税:法人税、住民税、事業税の未払額
- 引当金:将来の費用または損失(賞与引当金、製品保証引当金など)※貸倒引当金は流動資産!
- 預り金:第三者から一時的に預かった金額(社員の所得税など)
③間違えやすい固定負債
- 期間が長期となる引当金(例:退職給付引当金)
- 繰延税金負債:繰延税金資産と相殺して表示(繰延税金資産は固定資産の投資その他の資産!)
④その他
- 貸倒引当金:受取手形や売掛金から控除または控除後の金額で表示(流動資産)
- 貸付金:短期貸付金は流動資産、長期貸付金は固定資産の投資その他の資産
- その他有価証券評価差額金:貸借対照表に計上!損益計算書ではない理由は、ただちに処分できない保有目的があるから。
- のれん:相手方に対価として支払った金額が、受け入れた純資産額を超えた分。
- のれん=支払い額-その純資産=ゆずり渡した相手方の利益=受け入れた側の投資分=資産の運用側へ!(フランチャイズのイメージ)
3.損益計算書(P/L)関連
3-1.基本事項
- すべての収益と費用を総額で計上=総額主義
- 純額=収益と費用を相殺し、利益または損失を認識する処理
- 発生主義の原則(費用)
- 実現主義の原則(収益)
- 費用収益対応の原則(期間帰属)
3-2.覚えるべき用語
営業外収益とは?
- 本業以外の財務活動や投資活動などによる収益
- ここでの有価証券は「売買目的」である
- 項目:受取利息・有価証券利息・受取配当金・有価証券売却益・有価証券評価益・雑収入
営業外費用とは?
- 本業以外の財務活動や投資活動などによる費用
- ここでの有価証券は「売買目的」である
- 項目:支払利息・社債利息・有価証券売却損・有価証券評価損・雑損失
特別利益とは?
- 臨時的に発生した利益
- 固定資産売却益
- 投資有価証券売却益(その他有価証券を含む)
特別損失とは?
- 臨時的に発生した損失
- 固定資産売却損
- 投資有価証券売却損(その他有価証券を含む)
- 減損損失(固定資産の評価損)
- 災害損失
その他
- 減損損失:固定資産(土地など)の価値減少による評価損
- 減価償却費:販管費または売上原価(製造業)に含む
4.キャッシュ・フロー計算書
役割は何か?
- 前年度末と当年度末のキャッシュの増減原因を説明する
- 現金創出力、債務返済能力、配当金支払能力をみる
- 損益計算書に示される利益と資金の増減との関係をみる
営業活動CFとは?
- 商品の仕入と販売、人件費、営業経費など
- 減価償却費は「実際に支払ってない」ので加算
- 売上債権増加は「実際に回収してない」ので減算
- 仕入債券減少は「支払いを行っている」のでそのまま減算
- 棚卸資産増加は「支払いを行っている」ので減算
投資活動CFとは?
- 設備投資や運用など
- 設備投資=有形固定資産や無形固定資産
- 運用や融資=有価証券や貸付
財務活動CFとは?
- 資金の調達と返済
- 株式の発行はプラス、自己株式の取得はマイナス
- 社債の発行はプラス、社債の償還はマイナス
- 借入れはプラス、返済はマイナス、配当金支払はマイナス
必ず出る!
- 投資活動を営業活動CFの範囲内で行えば、資金の状況は安定する
5.分析関連
手元資金(手元流動性)とは?
- 現金及び預金+有価証券(短期)※棚卸資産や売上債権は含まない
- 短期日での支払能力のある資産金額を示す指標
- 当座資産や正味運転資本より実際的な支払手段としての流動的資金
当座資産とは?
- 手元資金+売上債権 ※棚卸資産は含まない
- 現金及び預金+有価証券(短期)+売上債権
- 流動資産-棚卸資産
正味運転資本とは?
- 流動資産-流動負債 ※棚卸資産を含む
時価とは?
- 期末時点での資産評価額
- 金融資産の原則的な評価方法
- 未実現の評価益が計上されるのが欠点
自己資本比率とは?
- 式:自己資本(純資産)÷負債純資産合計(総資本)×100(%)
- 貸借対照表における資金の源泉側のバランスをみる指標
- 弁済を要しない自己資本(純資産)が多い=長期的に財政状態が安定
財務レバレッジとは?
- 式:総資本÷自己資本×100(%)
- 自己資本比率の逆数
- 財務レバレッジが高い=他人資本が多い=支払利息が心配…
1株あたり当期純利益とは?
- EPS(Earning Per Share)
- 1つの企業の期間推移で比較する
- 企業間での比較は無意味=発行株式数によって異なるから
株価純資産倍率とは?
- PBR(Price Book-value Ration)
- 式:1株あたり株価÷1株あたり純資産(BPS)
- 株価の純資産に対する倍率
- 企業の資産・財産の水準に対して、株価が相対的に高いか安いかの目安
- 純資産の市場評価額でB/S上より小さい見込=1倍を下回る=割安
- 純資産の市場評価額でB/S上より大きい見込=1倍を上回る=割高
株価収益率とは?
- PER(Price Earning Ration)
- 式:1株あたり株価÷1株あたり当期純利益(EPS)
- 利益水準に対して株価が相対的に高いか安いかの目安
- 株式投資者の利益に対する先読みを反映
- PERが高い=割高
- 例:この企業のPERは20倍だろう→PERが10倍だった=割安だ!
5.公式過去問題集未掲載問題【第33回】
基本的には公式テキストと公式問題集をマスターすれば合格できる
試験当日に公式過去問題集に掲載されていなかった問題が2つ出題。
概要は以下の通り。
- 配当性向の計算
- 税効果会計の適用により計上されるものの個数
公式テキストを学んでいればどちらも対応可能な内容。つまり、初学者には、公式過去問題集だけで完全合格は難しいということです(普通の合格なら可能)。
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6.お知らせ
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