１.書籍概要
- 書籍名：欲張らない経営～レッドオーシャンの車買取り業で成長し続ける一人社長の経営論～
- 著者名：新佛千治
- 出版社：幻冬舎MC
- 価格 ：1,600円＋税
- 発行日：2023年7月31日･第1刷
【書籍帯コメント】
- 儲けたい欲を捨て、社員も雇わず、ビジネスはプライベートの延長線として働く
- それでも十分稼げて、顧客にも取引先にも満足される！
- 競合ひしめく車買取り業界で、8年でFC加盟店を100店にした社長の独自の経営哲学とは
- 「ビジネス＝金儲け」は勘違い！
- 稼ぎたいという「欲」を捨てることができればスモールビジネスを成功に導ける
２.読書感想文
①全体所感
スモールビジネスのFC展開で成功をした新佛千治氏。しかし、その背景には重厚な想いや経験が隠れていた。お金稼ぎでビジネスは成功しない。関係するすべての人々の幸せ（本書内では「ハッピー」）を追い求めているからこそ実現できた成功。
企業理念がいかに大切かを考えさせられる場面がある。新佛氏が自らの経験をもとに語っているから心にひびくものがある。
途中、「あれ？思っていたのと違う流れになっているな」と感じたが、それは新佛氏が手掛けているビジネスの詳細、つまり、スモールビジネスが今後の世の中でいかに大切なのかを語っている部分。ライフワークバランス、ウェルビーイングなどが、ここ最近注目を集めているが、文字だけでなく実践している新佛氏の体験は非常に価値が高い。ビジネスを趣味の延長線として向き合い、それを多くのオーナーに波及させている姿に、自分自身の現状はこのままで良いのかと考えさせられる。
ただし、スモールビジネスが最適解ということを伝えたいわけではないだろう。自分自身が考える本当の幸せ、ハッピーに向けて動いているか？成功でも失敗でも、自らの意志で動くこと、動き続けることが正解なのだ。これを伝えたいのだと解釈した。
サラリーマンでもスモールビジネスの経営者でも、大企業の社長であっても、動き続け、経験を蓄え、自らの人生をハッピーに導くことができれば良いのである。
②本書から学んだこと（フレーズ）
- 向こうからチャンスは来ません。打席に立ち続けていこうとする人にのみ、チャンスは訪れる
失敗を恐れてはいけない。そして、いつまでも成功体験、過去の栄光に引きずられてもいけない。挑戦を繰り返し、多くの経験を自分自身の中に蓄えることが財産となる。やりたいと思ったことは躊躇せずやってみること。やらないことは後悔しか生まない。失敗したという経験も、きっと自分を育ててくれるはず。
- 異を唱えた者が排除されていくような雰囲気がはびこっている企業が世界で勝ち残れる時代では絶対にありません
今の自分を勇気づけてくれた一文。同調圧力の強い日本では、会議等の場で他者と異なる意見、上司と異なる意見を言うだけで排除される。好き勝手な意見の背後に、「経営理念」を理解し、その実践に向けた内容であることが大切だ。経営理念に照らして外れていないか、常に検証は必要だ。
創業者が造り上げた企業、組織。何のためにその企業は存在しているのか。経営理念を実現する為に必要だと感じれば、上司とも取締役とも戦う。後押しをしてくれたことに感謝。
- 行動しないことはゼロと同じ
- 何もしないで動かずにいることこそが、人生においてのリスクを増大させていく
新佛氏が本書の中で何度も繰り返している「行動すること」。行動しなければ結果は出ない。結果の良し悪しはその時々、運次第。自分で判断して行動することで、その結果を嫌でも考察する。その先に次の挑戦、行動がある。そこに反映させることができれば、結果が良くても悪くてもプラスになったと、後から考えることができるだろう。
- 自分自身も時代よりも先に変わらなくてはいけない
激動の現在。数年前には、時代の変化に適応すること、という言葉をよく目にした。しかし新佛氏は違った。「時代よりも先に」だ。更なる激動を迎えるこれからの時代を生きていくために必須な考え方だ。
確かに実感することもある。すでにWEB上に転がっている情報に、顧客は興味を抱かない。多くの情報から導き出される未来像や可能性などに興味関心を示す。
時代の先取りをすることは、業種問わず必須であり、そのためには、学び続け、自分自身が変わり続ける必要があるのだ。
- 過去に固執すること、思い悩むことは時間の浪費でしかない
繰り返しになるが、「迷わず動け」ということ。やってみてダメだと思えば、すぐに諦めれば良い。悩んでいる限り、「ダメだ」ということに気づけない。動くから「ダメだ」ということが分かるのだ。
過去の失敗は勲章だと考えることにする。その失敗があるからこそ今がある。サラリーマンであればもっと気楽だ。多少の失敗でも一発でクビになることはない。他人資本で挑戦できる機会があるのなら、ぜひ挑戦してみよう。
- お金に換算できないものほど人生にとって重要なものだ
昔、マスターカードのテレビCMでも「プライスレス」というキーワードで発信されていた。しかし、自分自身にとっては実体験を伴ったものではなかった。だから言葉だけが先行してしまっていた。新佛氏の体験を通して、なるほどと本当の意味で腹落ちした。その詳細は書籍を購入して確かめてほしい。
- あなたの人生を豊かにしていけるのは、あなた自身の行動だけです
本書の結論、新佛氏が繰り返し述べてきた内容の集大成がこの一文。
行動あるのみ。なぜか？それは自分自身を幸せに、ハッピーにするためだからだ。
自分が尊敬する取締役からも似たようなことを言われたことがある。『やった者が勝ち』。私の周りには、いろいろと意見は言うものの、実際に行動に移さない社員が多い。理由は簡単。やってもやらなくても給与は大きく変わらないから。やらなければ経験を得ることはできない。自らその機会を放棄している社員たちだ。
やり続け、苦労し続け、そして運よく取締役より大役を仰せつかった。暗中模索、先が全く見えない新設部署。やってやろうじゃん。
３.お知らせ
筆者はリタイア60の名前でSNSをはじめとした発信活動を行っています。ご興味がある方は是非ご覧ください。
