1.書籍概要
- 書籍名:人の上に立ち続ける思考法・とにかく仕組み化
- 著者名:安藤広大
- 出版社:ダイヤモンド社
- 価格 :1,600円+税
- 発行日:2023年5月30日 第1刷発行
【書籍帯コメント】
- 全国3500社が導入。マネージャー層から経営層まで。
- 「人」は責めるな、「ルール」を責めろ。
- トップに駆け上がる人に必要な「考え方のすべて」。
- もっと濃い仕事をしたい。厳しいフィードバックがほしい。
- ひそかに「成長」を求めている、あなたへ。
2.読書感想文
①全体所感
とてもテンポよく読むことができ、数日で読了が可能。その理由は「無駄が一切ない」こと。1ページあたりの文字量は非常に少ない。その分、短い文章の中に濃い内容がある。
すらすらと読めてしまうからこそ注意が必要。本書の内容はどれもビジネスパーソンにとって大切なこと。読み流してしまうことで、吸収すべきことを逃してしまう恐れもある。
そのため、おすすめとしては、複数回読むこと。1度で本書の内容を全て自分のものにすることは困難を極める。部下育成で悩んだとき、仕事そのもので悩んだときなどはもちろんのこと、自分の仕事がうまくいっている時こそ、落とし穴に落ちないようにこの書籍を読み直すのもいいだろう。
各章の最後に「復習」のコーナーが設けられており、学んだすぐ後に振り返ることで、記憶の定着を助ける効果もある(エビングハウスの忘却曲線理論)。
本書は30代から50代前半のビジネスパーソンにオススメできる内容。人生100年時代と言われるようになり、本人の気持ち次第で何歳までも学び、成長することが可能な時代になった。「もう」は「まだ」なり。限界を決めるのは自分の気持ち。この書籍を通して、ビジネスパーソンである限り成長をしていこうと思った。
②本書から学んだこと(フレーズ)
- どんなビジネスモデルであれ、結局、最後は「人」が重要
どのような仕事でも、必ず人が介在する。組織であっても個人事業であっても。組織であれば、個人の力だけでなく、チーム力で大きな仕事ができる。組織力を活かすのは個人の力量による個人プレーではない。カリスマも時に必要だが、一人ひとりが役割を認識して、自分のやるべきことに集中して取り組むことが、組織を強くする。そのために、組織内のルール、つまり、仕組みが必要である。
- 優しさの裏側は残酷。何も言わない人は、優しいからではなく、見捨てているのだ
自分にもそういうところがある。何度か言っても直らない相手には、何も言わない。元プロ野球選手のイチローは、ブーイングは喜んで受けると言っている。しかし、一番怖いものは「無関心であること」と言っている。ブーイングは、その選手に期待をしているからこそ、その期待通りならないために起こる事象。無関心であればブーイングは起こらない。それに近いものを感じた。
- ルールがあり、他者からの評価というメリットがあるから、人は動く
これに当てはまらない人もたまにいるが、8割以上の人がそうだろう。特に会社組織にいると改めて感じることができる。勤め人は特にドライになり始めている。励ましは必要であるが、そう簡単には通用しない。この考えがない管理職がいる組織は、ブラック体質になりやすいので注意が必要である。
- 本当に大事なのは、どんな人も活かすこと
「この人にしかできない」つまり、属人化している状態では組織の発展は望めない。誰にでもできるようにすることが、組織としての推進力を向上させる。そのための仕組み化であると安藤氏は言っている。中堅社員の中には、自分の立場を守るために属人化させる人もいる。組織にとってはマイナスでしかない。この内容からナレッジマネジメントとの大切さも思い出した。
- どんな部署に行っても、やっていける人。そこに価値が生まれます
タイムリーな内容で筆者自身が励まされた。営業職から企画職へ配置換えとなるタイミング。企画職の部署は新設部署。前例がなければ、先輩もいない。ゼロから動き出していくことになる。不安とワクワク感が交差する不思議な精神状態。この言葉によって、組織の力になる部署にするべく前進していこうと決めた。
- 「組織」の中に「個人」がいる
長く同じ会社で勤務していると、この考えを忘れてしまう、いや、むしろ逆に捉えている状況さえある。特に結果を出しているプレーヤーに多い傾向だと思う。ひとりで出来ることには限界があるが、チームプレーなら個人プレーよりも大きな仕事ができる。ただ、チームも一歩間違えると属人化というか、独裁政権を生み出すことにもなる。そのためにも仕組み化やルール化は大切である。
- どの方向に成長したいか?どうやって世の中に貢献したいか?
企業理念。最近では、ミッション・ビジョン・バリューと表現されることもある。これについても仕事に慣れてくると形骸化することがある。形骸化を防ぐことは難しいが、そうなった時に立ち止まり、改めて考えること、確認することが大切。会社組織にいる以上、その組織が向かう方向へ、自分のベクトルも合わせなければならない。どうしても合わないなら、合う会社に移れば良い。移ることができないのであれば、合わせるしかない。その意味で安藤氏は「与えられた責任を理解して、歯車として完璧な機能を果たし」という表現をしている。熱き想いを持ち合わせながら、組織を加速させるための歯車として高速回転するのがベストかもしれない。
3.お知らせ
筆者はリタイア60の名前でSNSをはじめとした発信活動を行っています。ご興味がある方は是非ご覧ください。