1.書籍概要
- 書籍名:Amazon創業者ジェフ・ベゾスのお金を生み出す伝え方
- 著者名:カーマイン・ガロ著/鈴木ファストアーベン理恵訳
- 出版社:文響社
- 価格 :1,880円+税
- 発行日:2023年8月8日 第1刷
【書籍帯コメント】
- ベゾスをはじめ、スティーブ・ジョブズ、ウォーレン・バフェット、世界的億万長者のすぐに使えるコミュニケーションスキルを完全解説
- 学問を挫折した男はコミュニケーションをどのように磨いて世界一のお金持ちになったのか?
- 「経営陣の説得」「オンラインミーティング」「大切な人へのメール」「部下を鼓舞」あらゆるシーンで使える、資産20兆円、世界的経営者のコミュニケーションスキル
- ジェフ・ベゾスは創業初期のスピーチでメモを見て、つっかえながら話し、若き日のスティーブ・ジョブズはプレゼンの直前、気分が悪くなり、トイレを探した。超一流の経営者はどのようにコミュニケーション能力を鍛えたか
2.読書感想文
①全体所感
前書きである「はじめに」。この時点で学びがある。本書の内容説明はもちろんだが、最初のたった30ページだけで圧倒される。ここだけで先々を読む楽しみが広がる。400ページ以上にわたり、判型も通常の書籍より大きめ。文字もギッシリ。だからこそ多くの学びが得られると期待感が湧いてくる。
読了後に感じたことは「良い意味で表紙やタイトルに騙された」こと。どちらにも「Amazon創業者ジェフ・ベゾス」とある。たしかに、ジェフ・ベゾスの話が中心ではあるが、様々な起業家の話や有名投資家の格言などが散りばめられている。
そして、HOWTOの面も充実。ジェフ・ベゾスをはじめとした多くの有名起業家たちと同じ行動をするために大切なファクターを自分に置き換えて考える箇所がある。もちろん、内容が内容だけに、簡単な、単純なHOWTOではない。一朝一夕ではまず身につかないだろう。
本書から学ぶことができたフレーズは多岐にわたる。その中でも厳選したものをこの後に紹介したい。HOWTOの部分は一切記載はしない。この記事を読んで、もっと深く学びたいと感じた方は、是非書店にて購入してもらいたい。重厚感ある本書を読み終えた後、間違いなく自身に満ち溢れた人財になるだろう。
②学んだこと(フレーズ)
- 自分はすべてのことを知っていると思った瞬間に、成長は止まる
姿勢の話。優秀な人間ほど「学び続ける姿勢」を常に持っている。学ぶことを習慣化することができれば、そこからの人生は明るくなるはずだ。Amazonの「Day1」がその象徴でもある。
- 努力とは選択なのです
才能あふれる人材(スター)は様々な世界にいる。しかし、スターは才能だけでは成立しない。隠れた努力を積み重ねるこそ才能が開花する。その努力をするのかしないのか。それは本人の選択であり、その選択をしなければスターにはなれない。
- シンプルな表現には「知ること」そして「選択すること」が欠かせない。情報の受け手であるオーディエンスのことを知り、オーディエンスが知るべき情報を選択すること
専門用語を多用したプレゼンほど詰まらないものはない。自己満足の賜物。相手が何を知りたいのか、相手に何を知ってほしいのか。それを伝えるために必要なものは何か。その相手の背景にはどのようなものがあるのか。徹底して伝えたい相手にこだわることで、良いプレゼンに磨き上げられていくだろう。
- 賢いリーダーは、物事をシンプルに保つ。シンプルであることが、賢い判断につながる
複雑怪奇な文面は、自らの知識をひけらかしたい想いが透けて見える。しかし、それを聴く側の身になれば答えは一目瞭然。何を言いたいのかさっぱり分からない。相手に伝わるからこそコミュニケーションは成り立つ。多くの聴衆に理解を求めるのであれば、誰にでも理解できる言葉を使うことだ。
- 偉大な話し手は、新しいアイデアを説明するために、短い単語を使用する
「短い単語」というのは英語だからこその表現。要は「誰にでも伝わる」簡潔な表現をするということ。聴き手は十人十色。様々なバックボーンを持つ人間の集まり。専門用語など一部の人間にしか分からない言葉を使っては、その他大勢には説明内容が理解できない。何かを伝えるとき、言葉選びも大切な要素である。
- 簡潔であることは明確さに繋がり、明確であることで人は鼓舞される
前述同様、相手に伝わるのかどうかがポイントである。多くの人が関わるようなチームであれば、それぞれが見ている景色は微妙に異なる。その差異を埋めるのが簡潔さであり、明確さである。誰もが理解し、迷うことがない明確な指針があれば、チームは一丸となり、前向きにミッションを遂行できる。
- ユーモアは敵意を取り除き、心を和ませる。人間同士のつながりや信頼感を築く
プレゼンの場面を創造してみよう。営業手法でもよく用いられるアイスブレイク。相手を聴く姿勢にしてからが勝負。プレゼンでも同様に、聴き手の緊張を適度に和らげる内容を随所にちりばめておくとよいということ。聴き手の立場になって考えることで、どこのタイミングでそれが必要になるのかを考えておくこと。
- つねに学び好奇心を持つこと
アマゾンのリーダーシップの原則。人生にゴールはない。しかし、学ぶことを止めてしまうと人としての成長は止まり、そこがゴールになってしまう。ゴールをするといつの間にか時代に取り残される。また、学び続けるためには好奇心を常に持つことが必要。やらされるのではなく自発的に。人生100年時代だからこそ。
- 練習というのは、下手だからするのではない。上手だからこそさらに秀でるために練習するのだ。
プレゼンやセミナーのロールプレイ。コロナ禍ではWEBセミナーがビジネスでは欠かせないツールとなった。私も実施するために何度も何度も練習した。自宅で時間を測りながら、時間内に収めるだけでなく、分かりやすい言い回しをすることや、本番で無駄な発言をしないようにすることなど。おかげで成果を出すことができた。
- ビジネスで成功したいのなら、消費する以上のものを作り出さなければなりません
価値を生み出さないビジネスは衰退していく。全ての人に価値あるものを生み出すのは至難の業だが、関係する人や業界内など。顧客視点に立ち、自分の顧客が価値を感じ、喜んでくれるものを生み出す、生み出し続けることが成功に繋がる。つまり、ゴールはない。常にその日が「DAY1」というアマゾンの考えに納得する。
- 独創的であるためには、不断の努力、生涯を通じての学習、尽きることないエネルギー、そして執拗なまでの情熱が必要だ
全てにおいてゴールはない。つまり、いつ始めても遅すぎるということもない。思い立った時に始めよう。そして続けよう。継続は力なりという言葉が日本にはある。自分のゴールは、自分の人生の幕を閉じるときに突然現れるはずだ。だから自分で決める必要もない。最後に勇気づけられる素晴らしい言葉に出会えたことに感謝。
3.お知らせ
筆者はリタイア60の名前でSNSをはじめとした発信活動を行っています。ご興味がある方は是非ご覧ください。