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ウィリアム・ジェイムズのことば【大人の読書感想文・40代からの学び直し】

1.書籍概要

ウィリアム・ジェイムズのことば【大人の読書感想文・40代からの学び直し】
  • 書籍名:ウィリアム・ジェイムズのことば
  • 著者名:岸本智典 編著・入江哲朗 岩下弘史 大厩諒 著
  • 出版社:教育評論社
  • 価格 :1,600円+税
  • 発行日:2018年6月26日 初版第一刷発行

 

【書籍帯コメント】

  • 人は悲しいから泣くのではない。泣くから悲しいのだ。
  • アメリカ・プラグマティズムの哲学者 ウィリアム・ジェイムズの思想をわかりやすく紹介
  • プラグマティズムやアメリカ心理学の祖として知られ、数々の名言を残したウィリアム・ジェイムズのことばの意味やその思想をわかりやすく紹介する。

 

 

 

2.読書感想文

①全体所感

今回の記事では、ウィリアム•ジェイムズ(以下、WJ)の言葉から引用することはしない。もしWJの言葉そのものを学びたい方はこの書籍を手にして、実際に読んでもらいたい。

書籍の物理的な厚さはそこまでではないが、中身の厚さはその見た目の2倍以上はあると率直に感じた。

読み進めるに当たっては、字面を追うのではなく、時に立ち止まり、繰り返すことで自分の中で消化していくのが良いだろう。

哲学的思想を現代の我々にわかりやすいように噛み砕いてくれているのが本書籍の筆者たち。そこに敬意をはらう今も含めて、彼らが噛み砕いた言葉をさらに自ら噛み砕いて咀嚼した内容を以下にまとめていくことにする。

 

 

 

②本書から学んだこと(フレーズ)

第1章 世界をどう眺めるか

  • 哲学をする者は、日常生活における「独断のまどろみ」と「凝り固まった偏見」に留まることなく、問いの答えを追い求め、自分が住む世界のあり方を見極めようとする

「◯◯をしている」というのは思い違いかもしれない。そのため「◯◯している」という言葉が今の行動に対して真実であるとは言い切れない。また「◯◯」という言葉のイメージは、誰かに決められたイメージでしかない。つまり、なにごとも決めつけは良くない。一度立ち止まり、違う視点で考えることが大切。

 

  • 批判に耳を傾けず、別の結論の可能性に目を向けない人は、結果として失敗してしまう

独断、思い違い、見間違い。人生には「間違い」がつきもの。つまり、自分が絶対に正しいということはなく、これに気づかないと、間違った結論に至る。意見が違う人に対して意見を押し付けるのではなく、それを受け止め、共に違いを探究することが成功の秘訣だ。

 

  • 考えの有用性が、たんに自分がそう思うからということだけでなく、実際の行為と結びついており、その結果を通じて明らかになるものだ

考えが「正しい」と証明できるのは、行動して結果が出た時だけ。良い結果なら、その考えは「その時」には正しかったことに。しかし、その「正しい」はその時だけのことである。正解は未来にしかない。その未来は行動することで到達できる。そして、到達した瞬間に過去になる。

 

  • ある考えを単一の基準によって一概に「真だ」「偽だ」と判断することはできない

「考え」は、目的や時間軸によって有用か否か変化する。その時に有用だったとしても、明日には反対の結果になることも。自分が「正しい」と思ったことが、「その時」「その目的のため」だけであることを想定していなければ、「正しい」が「誤り」に変わった時に対処ができない。

 

  • つまり、過去・現在・未来の内容は不断に変転していきます

今のその景色は、数秒後には過去になる。同時に未来が目の前に到着する。到着した未来では、目的や環境が変化し、過去に「真」と判断したものが「偽」にもなる。「真」であると思い込んだことを頑なに変えないのは、未来における「真」を見失うこと。「広い視野を持つ」という言葉が当てはまるイメージだろう。

 

 

 

第2章 世界のなかの「私」

  • 宇宙全体という広大な背景のなかで、図として浮かび上がっているのが現在の経験です

自分が認識している「現在の経験」は、同時に起こっている自分が意識していないことと関係がないように思えるが、実は全て繋がっているということ。つまり「現在の経験」だけですべてを判断してはいけないのだ。周囲を見渡してみることで気づかなかったことに気づくこともあるだろう。

 

  • どれかひとつの目的だけを偏愛し、ほかの目的を押しつぶしてしまうことは、一面的で狭量的な態度であり、人間性の抑圧にほかならない

1つの場面に複数人がいる。それを外から眺める人が自分がいる。自分はその場面に対してある思いを持つだろう。しかし、その場面にいる複数人は、自分とは異なった目的を持ち、それぞれ独自の世界を眺めている。そのため、同じ場面でも見えているもの、心動かされるものが違うのだ。他人との見え方の違いに気づき、その違い(他人の経験)を学ぶことが、自らの経験値を増やすことに役立つだろう。

 

  • 「中間段階」というのは大雑把な法則の下では往々にして見逃されてしまいます

白か黒か、イエスかノーか。二択に絞ってしまうことが人間の心の欠点。HOWTO本を心酔する人にありがちなこと。データから「傾向」を読み取れるが、それは絶対ではない。当てはまる人もいれば、当てはまらない人もいる。中間段階の灰色。白に近い灰色もあれば、黒に近い灰色もある。人間の心もそれだけ複雑なのだ。

 

  • 理論化や一般化の持つ絶大な力のために本来複雑な現実や人間のあり方を見誤って、正しくない判断をしてしまうことも事実

理論化や一般化に当てはまらない人を無視してしまってはいけない。仮に、多くの人がそうであっても、そうでない人が必ずいて、100%ということには成り得ない。このような「当てはまらい」ことを見て見ぬフリをしてはいけない。

 

 

 

第3章 宗教的なるもの

  • 世界には自分の心構えによって左右される部分がある

いやなこと。「いや」と感じるのは自分の心の在り方による。感動することで心が和らぐという話がこの話の前段にあるが、「いやなこと」を受け入れる心構えを持てるかどうか。自分をコントロールする術を持つことは大切だが、一朝一夕では身につかない。日々心掛けなければ受け入れるだけの心を作ることはできない。

 

 

 

第4章 心のからくり

  • ある状況の知覚に続いてまず起こるのは身体的な変化であり、それが感じられるから感情が生まれる

馬鹿にされたとき、顔色を変えずにいることができれば、怒りは生まれない。前述した「自分をコントロールする術」に繋がる。つまり、感情のコントロールというのは、自分の体をコントロールすること。日々流れている状況を、感動というものを軸に受け入れるようにすると対処できるのかもしれない。

 

  • 望ましくない感情は身体的表現を押し殺すことによって消え、望ましい感情はそれにふさわしい身体的運動を実行すれば湧いてきます

「いやなこと」があったら笑おう。笑うことによって前向きな感情を生み出すことができるからだ。「いやなこと」に対して怒鳴ったり泣いたりすると、負の感情はより一層強力になってしまう。行動によって感情をコントロールする術を学んでおきたい。

 

  • 私たちの心の状態はつねに変化しており、正確に同一の状態などありません

いつもの道、いつものお店。昨日と今日で大きな違いはない。しかし、自分の心の状態は昨日と今日で異なっり、それらを異なったものとして受け入れ。常に新しい心(角度)で接している。昔は面白く感じたものが今は全く面白くないということがある。「長い時」は昨日と今日の変化の積み重ねでできている。

 

  • 慣れというのは怖いもので、それは私たちの生き方やものの見方を固定化してしまう

「◯◯は■■だ」と経験則で決める場合がある。経験則=慣れ。1つの対象に対して1つの見方しかできなくなる。つまり「◯◯」に対して新しい発見がなくなる。対象が人であった場合、その人が変わろうとして努力し、変わったとしても、周囲の慣れで認められない。とても悲しく切ないことだ。

 

 

 

第5章 私たちは何になりうるか

  • 「科学と技術の中間」に立って、自分自身の「創意」を用いることによって科学を応用しなければならない

子どもの教育、教師に向けた内容であるが、これを先輩と後輩、上司と部下という関係をイメージした。統計などで導き出された根拠を科学、HOWTO本等から学んだテクニックを技術とした場合、どちらかだけに頼るのではなく、自分自身の経験も含めた「創意」を用いて、前の2つをうまく利用するのが良さそうだ。

 

  • 対抗心があるがあることで実際の教育は成立する

注意しなければならないのは、本書にも記載があるが、相手を打ち負かすということではない。その気持ちをむき出しに表すことでもない。何事もバランスが大切で、むしろ「より良いものを創造し、より良い社会を目指そう」というような思考の中に存在する「今より良い」を目指す対抗心というニュアンスだ。

 

  • 目に見えるものがすべてではない、(中略)全体を見るようにせよ

自分も相手も、その心も、また、自分が意識していない周囲の環境も常に変化するもの。過去、現在、未来と移りゆく中で、一定のものに留まることはすべてにおいてない。だからこそ、自分が意識して目に入ることだけで判断をせず、中間の立場をうまく利用して、広い目で眺めるようにするのが良いということ。

 

  • 納得するまで準備したのならば、(中略)まずは行為してみよ

大切なのは「納得するまで準備した」こと。これがあるからこそ、結果を気にせずに一歩を踏み出すべきだとWJは推奨している。何でもかんでもやってみる、では結果が伴わず、周囲にも迷惑がかかる。準備が結果の8割を占めるものである。

 

 

 

第6章 この「私」はどう生きればよいか

  • 人間同士が完全にすべてのことで一致することなどありえない

そもそも、人それぞれ考え方や生きてきた環境など、あらゆるものが異なる。自分の考えや想いが相手に伝わらないときに「なぜわかってもらえないのか」と悩む人がいるとおもうが、これが当たり前のことであるということ。2割でも3割でも、一部を理解してもらえただけでも凄いことだということを知ろう。

 

  • 私たち決断や行動にはいつも何ほどかの危険が伴います

対人における完全一致はない。周囲の環境に対して同じことだ。どんなに証拠および準備を整えても、完全無欠な決断や行動はない。必ず何かが不足する状態で我々の生活は進み、そこに慢心や驕りがあってはいけない。全体を広く見渡し、不足する証拠を集めながら判断をすること。朝令暮改はあってしかるべき。

 

  • 仮説とテストの繰り返しが私たちの探究なのです

完全無欠な判断はない。私たちは不十分な情報や証拠で判断を繰り返している。正しい結論に向かうべく仮説とテスト(検証)を行っている。「正しい」ことは時間と共に流れ変化する。だからこそ、繰り返すことが正解を目指すための探究と言われ、永遠にたどりつくことが難しい「真理」への旅なのだ。

 

  • 信念や思いによってあなたの行動、ひいては周りの人の思いや行動にまで影響が出てくる

この世のすべてを自分がコントロールすることは不可能。しかし、自分の思いや行動によって「アクション」を与えることはできる。ネガティブなのかポジティブなのか。自分をコントロールすることは可能なはず。そのコントロールによって、良くも悪くも影響を及ぼすことができるのだから、ポジティブにいこう。

 

 

 

第7章 他者とともに社会を生きる

  • あなたにとっての重要性のひとつひとつの細かい部分は、横にいる「傍観者」からは容易には理解されません

完全一致で理解できることはあり得ないという一貫した考えに基づいている。そして、逆の場合(自分が傍観者になる場合)も同様であること。だからこそ、相手に100%の理解を求めてはいけないし、相手の考えに対して「間違っている」と断言をしてはいけない。自分が見えていない世界があることを知ることだ。

 

  • 人々がお互いの持つさんまざまな理想について独断的な判断を下す態度をとることこそが人間の不正行為、残忍行為の大部分をなすもの

相手の状況に身を置くことは不可能である。そのため、相手の理想を完全に理解できない。それに対して決めつけた言い方をすることは言語道断。これを心得ることで、他人との付き合いにストレスを感じなくなることだろう。常に他人は、自分とは違う世界、理想を見ているのだ。

 

 

 

3.お知らせ

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