1.書籍概要
- 書籍名:会社から逃げる勇気/デンソーと農園経営から得た教訓
- 著者名:畔柳茂樹
- 出版社:株式会社ワニブックス
- 価格 :1,600円+税
- 発行日:2024年7月5日・初版発行
【書籍帯コメント】
- 人生の最大のターニングポイントは会社から逃げることだった
- 自動車部品世界一「デンソー」を早期退職し、ブルーベリー農園開業で売上5,000万円達成!
- 40代からの脱・先送り人生のススメ!
- 自分らしく豊かに生きたい人への起業指南書あああああああ
2.読書感想文
①全体所感
本書では「独立起業するための方法」が記載されている。その方法等について、この記事で触れることはない。畔柳氏が持つ「マインド」を学ぶべく、書店にてこの書籍に手を伸ばしたからだ。畔柳氏はオンラインや各種講演にて起業に向けた講座を展開しているので、方法論等についてはそちらをご覧いただきたい。
さて、この書籍を読んで率直に感じたこと。「自分は恵まれた環境にいる」。もちろん、会社を辞めたい、出勤するのが嫌だな、と思ったことは何度もある。その反面、仕事内容はある程度やりたいことをやらせてもらえている。給与に不満は特にない。休みは十分に取れている。自由な時間も持つことができている。唯一悩ましいのは人間関係だ。
意味が分からない派閥のようなゴマすり、文句を言うが結局何もしない社員、不必要な噂を立てて楽しむ輩。このようなことを目にする日常に嫌気がさす。しかし、この類の人間はどのような組織にも一定数いる。組織人として働く以上、この問題をゼロにすることは不可能。だから独立して~、と考えることはいたって自然の流れ。
ただ、自身よりも壮絶なサラリーマン人生を歩んでいた畔柳氏。それを見て、改めて「まだ戦える余地は十分にある」と思えた。自由な時間をどう使うか。それこそが大切なのである。
「突き抜ける」。趣味の競馬にも人生にも通じるフレーズ。そのためには動かなけれなならない。無駄な時間はない。全体から感じる畔柳氏の学びに対する姿勢。徹底していた。その背景には「好きだから」がある。「好き」が例えなくても、何かチャレンジしてみて「好き」が見つかることもある。何事にも前向きに取り組んでいこう、そう思える内容だった。
②本書から学んだこと(フレーズ)
- 好きな仕事があなたの人生を変える
本書の軸となるフレーズ。近年、好きな仕事が見つからないという人が多い。また、若い人にも「自分が望んだ仕事内容ではない」と早期に転職をするひとも多い。ことわざに「石の上にも三年」がある。要は3年くらい続けてみないと、その本質は見えてこないということ。最初から好きな仕事が見つかるひとは多くはないだろう。いろいろとチャレンジしてみて、改めて自分の好きが見つかるはずだ。
- あなたが「心から変わりたい」「自分の人生を本当に変えたい」と切実に思うなら変われる
- 続けいていれば、その習慣はやがて、その人の人格になっていく
逆に「なんとなく」変わりたいでは変われない。想いは強ければ強いほど行動にあらわれる。その行動が習慣化していけば人格が変わり運命が変わるという、心理学者ウイリアム・ジェームズ氏の言葉も本書には出てくる。どれだけ時代が変わっても、不変(不偏)の法則というものはある。まずは強い想いを持つこと、それが何よりも先決だ。
- 最後はどんなに苦しくて辛くても自分で決めることを忘れないでほしい
- 「○○が悪かったから」と言ったら自分の成長がまったく見込めない
自分を信じて自分で決める。このフレーズも付け加えておきたい。自分で決めなかった場合、うまくいかなければ「他人のせい」にすることが往々にしてある。何事に対しても、今の自分が直面していることは、すべて自分の選択の結果ということが、7つの習慣の書籍内でも記載されている。最近、新NISAで話題の投資においても自分で決めることができずに、悲惨な運命をたどる人をSNS上でも見かける。人生や仕事だけでなく、すべてを自分の判断、自分の責任のもと、自分で選択して決定していくことが大切。
- 成功している人が違うのは、その当たり前にやるレベルが尋常ではなく、誰もやらないくらい徹底してやっていることだ
冒頭に記載した「突き抜ける」がまさにこれにあたる。大昔に比べて、インターネットが発展し、ありとあらゆる情報が手に入る。つまり、「自分だけが思いついた」という状況は発生しずらい世の中になっている。では何で差をつけるべきか。やはり徹底してやること。最後まで、成功するまでやり続ける。成功するまでやり続ければ、その過程で「失敗かも」と思っても、結果は「成功」なる。そうなるためには強い想い、強い意志が必要。一朝一夕では身に付かない。もがき、苦しむなかできっと見つけられるのだろう。
- 人を批判しないと決めよう
本書内で畔柳氏は「自分に向けて」と記載しているが、私も改めて心にとめるとともに、実行に移さなければいけない。人間だれしも完璧ではない。少し油断すると、誰かを批判している自分に気付く。そう気づいたときに毎回反省しよう、そう思った。そして、他人を批判できるほど、自分は立派なことをしているわけではない。客観的に自分と向き合えば、悲観するわけではなく、当然に見えてくることだろうなと思う。
- 人生にはムダはない
どこかで経験したことは、すぐに役立たなくても、いつか役に立つ。人生は点のように見えることもあるが、じつは遠回りをした線で繋がっていることもある。どんな時間の過ごし方をしても、いつか自分の糧になるものだ。昼寝をしてたってそう。遊び惚けていてもそう。誰かに迷惑をかけることでなければ、必ず未来の自分にプラスになっているに違いない。
- 批判ばかりする友人との付き合いは考え直した方がいい
実生活で嫌というほど実感した。批判している人を見て、「批判は良くない」と言うつもりは毛頭ない。ただ、自分が批判された場合にお願いしていることは「代替案」を出してもらうこと。代替案なき批判はだれでもできる。幼子でも容易だ。批判したそのことを改善するアイディアがないのであれば、何一つ前進することはない。ただストレスがたまるだけ。進むことも戻ることもないが、負の産物しか生み出すことがない。代替案によって、ものごとが前進するのであれば、批判も受け入れよう。
- 大切なのは説得しないこと。説得は言い分の押し付け
自分の人生の中で最も反省すべきことがこれ。自分の意のままに相手を導こうと考えてしまうことがあるが、これをやると90%以上は失敗する。仮に10%の「成功したと思ったこと」も、実は長い目で見ると失敗だったことがほとんどだ。つまり、100%失敗に終わるのが「説得する」ということ。仮に説得してその人の考えが変わったとしても、それは説得が成功したのではなく、その人が違う道を選択したというだけのこと。かといって無関心は良くない。アドバイスを求められればすることもあるが、その通りに「するべきだ」と言ったり思ったりしてはいけない。肝に銘じておこうと思う。
3.お知らせ
筆者はリタイア60の名前でSNSをはじめとした発信活動を行っています。ご興味がある方は是非ご覧ください。