1.書籍紹介
書籍概要
- 書籍名:メンターになる人、老害になる人。
- 著者名:前田康二郎
- 出版社:株式会社クロスメディア・パブリッシング
- 価格 :1,580円+税
- 発行日:2024年8月1日 初版発行
著者略歴
流創株式会社代表取締役。1973年生まれ。エイベックスなど数社で管理業務全般に従事し、サニーサイドアップでは経理部長として株式上場を達成。その後、中国・深圳での駐在業務の後、独立。現在は利益改善、コンプライアンス改善、社風改善などを行っている。
著書に『つぶれない会社のリアルな経営経理戦略』(クロスメディア・パブリッシング)、『図で考えると会社は良くなる』(同)、『社長になる人のための経理とお金のキホン』(日本経済新聞出版)、『職場がヤバい!不正に走る普通の人たち』(同)ほか多数。
書籍帯・表紙コメント
- 自分は大丈夫と思っていませんか?
- 40歳以上に読んでもらいたい、リーダーシップとマネジメント、人間兼関係と教育論
- ○○な人だからこそ、メンターにも老害にもなりやすい
- お世話好き/面倒見が良いから/気が付きやすい/サービス精神旺盛/経験年数や実績、成功体験がある/真面目で負けず嫌い/人脈がある/お節介/後継者の決まらないカリスマ経営者/気が利く/「役立つことを言わなければ」と思う/キャッチーで力強いフレーズを言える
- 私達の理想としては、まず実績や結果を出して、メンターと言われる存在を目指し、それからは老害に転じてしまわないように、自分自身でセルフコントロール、セルフチェックをしてメンターの状態を維持し続けることが大切なのです。
どのような人におすすめ?
帯には「40歳以上に読んでもらいたい」とありますが、社会人に、年齢を問わず読んでもらいたい。その理由は、人間関係はどちらか一方の働きかけ「だけ」では良くならないから。双方が、お互いの状況を理解できる環境であれば、良い関係性が構築でき、メンターから老害への転落を防ぐことができます。自分自身の心がけは必須ですが、それ以上に、周囲も相手を理解し、思いやる気持ちを持つことが大切だと学ぶことができました。
本書には「リアルな体験談」が多く、「あるある!」「わかるわ~」「あっ、最近同じ境遇に出会った」と、心の中でつぶやくことが多くなるでしょう。読了した後には、良い職場環境を作り出すため、自分も周りも働きやすい環境にするため、大切な一歩を踏み出すことができるはずです。
2.読書感想文
目的
この書籍を通して、私自身が学ぶことができたことを「5つの学びフレーズ」としてお伝えします。読了することで、どのような姿に自分が成長できるかをイメージしてもらい、この書籍を手に取ってもらえたら幸いです。
5つの学びフレーズ
老害は「相手への敬意が失われた時に発生する」という特徴があります。
自分に対する驕りが、自らを老害にします。つまり、輝かしい実績がある人ほど老害になりやすいようです。
今までの経歴で自信を持つことは悪くはないですが、対人関係については、いつでも「フラット」であると考えた方が良さそうです。立場、役職、職種、社歴などなど、関係ないんですよ、対人関係には。
当たり前のように思えるのですが、意外と実践するのが難しいと、日々反省。「この前も失敗したな~」の連続。しかし、この失敗に気付くことができるようになったことは、成長の第一歩かな。
自分を主役とした発想で相手を比較、批評するのではなく、今のリーダーを主役に考えて組織を支える
いつまでも主役でいたい、組織の中で輝いていたい、そういう願望ってありますよね。実は私もこの願望がかなり強い部類。これは「メンター」に必要な考え方ですが、まだまだ私には程遠い領域だなと反省。
なぜいつまでも主役でいたのか?これを冷静に考えてみました。
その結果、嘘偽りなく至った結論。それは「不安を抱えている」から。一度輝かしい成績を出してしまうと、その立場から落ちたくないんですよね。「あの人、最近パッとしないね」と思われるのが嫌で。20代から30代中盤までなら許されるかもしれないですが、さすがに40歳を過ぎると恥ずかしいですよね、いつまでも主役でいたいという考え。相手を主役にした発想。今の自分を改めなければ。
正論だからこそ、相手との関係性ができていないと、受け手の立場からすれば「何なんだ、あの人は。偉そうに」となってしまう
「どんな時にも正論は理解される」と思って生きてきた私。だからダメなんですよね。そんなの当たり前だろ、と思うかもしれませんが、恥ずかしながら、今まで正論を徹底的に振りかざして生きてきました。
このフレーズを見て、ふと昔を思い出しました。
営業先でお客様から言われた言葉。あれは20代後半で、まだ営業職へ転職したばかりの頃。お客様も私が新人営業職だとわかって言ってくれたのでしょう。
「言ってることが正しいのはわかるが、正論や理想論だけでビジネスは成り立たないんだよ」
お客様は怒り心頭、かつ、怒鳴り散らしての発言。今思えば、とてもありがたいご指導を頂いたのだなと思います。ちなみに、このお客様との関係は、その後、すこぶる良好に(笑)。お客様が現役引退をするときには、ご挨拶もさせていただきました。このことをちゃんと覚えてくれており、嬉しくもあり、恥ずかしくもありという感じでしたね。
環境が変われば人も前提条件も変わります。
そんなの当たり前だろ。いやいや、当たり前ではないんですよ、これ。実感を伴った反省。これを理解できないと、何をやっても失敗に繋がります。
人事異動、プロジェクト、転職、結婚、出産、定年退職後、などなど。
全く関係ない人に、過去の栄光を突き付けても、リスペクトなんてするわけないじゃないですか。しかし、かつて自分が居た組織やコミュニティのように、新しい環境でも自分へのリスペクトを押し付ける。これをやってしまったことがあるのですよ、30代中盤から後半にかけて。
若くしての老害行為。まあ、人生100年時代ですし、一度の失敗でも、ちゃんと軌道修正して、今後の人生に活かしていけば、オッケーですよね、きっと。
主張していることは理屈上正しいけれど、コミュニケーションの側面から見ると行き過ぎた正義感、余計なお世話、不寛容、老害
まさに「TPO」。「今、それ言わなくてもいいじゃん」ということを言ってしまうのです。なぜか?その理由は「自分が正しい」と思っているから。ちょっとした驕り。そして、相手の状況を「想像」できないから。
この「想像」というのが難しく、恐らく、人生における経験値がものを言うのかもしれませんね。経験値と言っても、ただ歳を重ねれば良いということではありません。様々なシチュエーションを経験しているか、ということ。リアルな場面でもよいですし、書籍や雑誌などを通してイメージした経験でも良いと思います。
と言いつつ、自分には足りてないなと思う日々。口から出てしまった後に、「ああ、言い方を間違えたな」「今言わなくてもよかったな」と反省することも多々。人間、反省しながら成長していくものです。
3.お知らせ
筆者はリタイア60の名前でSNSをはじめとした発信活動を行っています。ご興味がある方は是非ご覧ください。