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【最新】ESAT-Jの詳細(結果の活用)が明らかに!詳しい解説と対策を伝授します!

こんにちは!PayPay経済圏の住人、教育業界20年以上のリタイア60です!

 

今回は中学校英語スピーキングテストESAT-J(以下、ESAT-J)に関する最新情報が更新されました。今回の内容は、改めてESAT-Jの実施と都立高校入試への結果の利用が明確になった内容でした。

 

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そして、一番の注目は「不受験者の扱い」についてが、2021年9月24日発表の内容から具体的な算出方法が明示されたことです。

 

 

それでは、東京都教育庁が発表をした最新の情報を分かりやすく解説をしていきましょう。

 

 

 

1.ESAT-J結果・提出の流れ

ESAT-J結果の都立高等学校への提出について

 

中学校は、ESAT-J結果として提供を受けた6段階の評価を、生徒の調査書に記載する。調査書は、生徒の志願先の都立高等学校へ提出する。

 

ESAT-Jのスコアレポートは1月中旬に生徒へ返却されます。そのスコアをもとに評価が決められ、それが調査書へ記載されます。スコア以外での部分(姿勢や態度など)はESAT-Jの評価には入りません。

 

2021年秋に行われたプレテストの結果からの推測ですが、ESAT-Jスコアが80点以上で評価Aを獲得できるようです(正式な発表はなく、資料から算出した推測です)。

 

 

 

2.ESAT-J結果の都立高校入試での活用区分

ESAT-J結果は、第一次募集・分割前期募集において活用する。(エンカレッジスクール、チャレンジスクール、英語学力検査を実施しない学校は対象外)

 

ESAT-Jは全ての都立高校入試に使われるわけではありません。第二次募集・分割後期募集では利用されません。しかし、都立高校入学志願者の約8割〜9割には活用されることになりますので、大きな影響が出ることは間違いないでしょう。

 

 

 

3.ESAT-J評価の点数化

都立高等学校では、AからFまでの6段階で提出された評価を、次のとおり、20点満点の点数として取り扱う。

 

ESAT-J評価と都立高校入試での点数
  • 評価A→20点
  • 評価B→16点
  • 評価C→12点
  • 評価D→  8点
  • 評価E→  4点
  • 評価F→  0点

 

ESAT-JのスコアからESAT-J GRADE(評価)が決定します。スコアの算出には「IRT(項目応答理論)」という統計的な処理がされます。これにより、運の要素などを排除し、より正確な受験者の能力を判定することができます。

 

ESAT-Jで利用されるIRTについて詳しく知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。

www.ritire60.com

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4.ESAT-J評価が総合得点へ

①ESAT-Jの総合得点に占める割合

総合得点への加算について

 

都立高等学校では、学力検査の得点と調査書点の合計(1000点満点)にESAT-J結果の点数を加え、総合得点を算出する。

 

総合得点に加えられるのは20点分。1,020点満点で都立高校入試の合否が判断されることになります。

 

あまり大きな影響がないかもと思ってしまいがちですが、侮ってはいけません!東京都教育庁がいかに英語教育に力を入れているのかが見えてきます。

 

 

 

②ESAT-J評価を侮れない理由

なぜESAT-J評価を侮ってはいけないのか?計算してみるとわかるのですが、その理由はこちらになります。

 

  • 調査書(内申点)の主要5科目(国語・数学・英語・理科・社会)の1科目分と同等

 

画像のように学力検査と調査書の得点が7:3の比率の都立高校を受験する場合、主要5科目の内申点1科目分は以下のような計算で総合得点が算出されます。

 

  • 300点÷65点×内申点5=総合得点23.1点

 

繰り返しになりますが、ESAT-J評価の総合得点は20点分です。前述の通り、主要5科目とほぼ同等の配点となります。言い換えると、英語全体の調査書得点が、実技4教科同様に2倍されると考えることができるのです。

 

ESAT-Jの試験内容など、もっと詳しく知りたい人はこちらの記事も参考にしてください。

www.ritire60.com

 

 

 

5.ESAT-J不受験でも大丈夫?

①ESAT-J不受験者の定義

今回の東京都教育庁の発表で、今まで漠然としていたESAT-J不受験者に関する対応が明確になりました。まずはESAT-J不受験者の定義から確認しましょう。

 

(1) 不受験者とは、次のア又はイに該当する者とする。

ア 東京都の公立中学校等に在籍する者のうち、ESAT-J実施日(予備日を含む。)に、インフルエンザ等に罹患した者、学校保健安全法第19条により中学校長が出席停止の措置を行った者及び受験者本人の責めによらず、やむを得ない理由(病気で入院、交通事故により負傷等)により受験することができなかった者
イ ESAT-J実施日時点で、東京都の公立中学校等に在籍していないため、ESAT-Jを受験していない者(私立中学校在籍者、他県中学校在籍者 等)

 

この内容を見る限り、余程な事情、証明書が出るような状況でなければ、都内公立中学校に通う3年生はESAT-Jの受験を回避することはほぼできないでしょう。

 

つまり、「英語が苦手だから」「英語で話すことが恥ずかしい」「制度に納得いかないから」など、正当性が弱い、もしくは無いような理由ではESAT-Jの受験を回避することはできません。ですから、日頃からしっかりと英語の発話練習に取り組みましょう。

 

英語4技能の教育を推進していくために入試制度を変えていく。反対する団体もいるようですが、大きな改革をしていくには、これくらい思い切った行動が必要になるものです。

 

 

 

②ESAT-J不受験者への対応

ESAT-J不受験者へは、都立高校入試で不利にならないような特別措置が用意されます。その詳細が発表になりました。

 

ESAT-J不受験者への対応

 

(2) 不受験者については、「仮のESAT-J結果」を次のとおり算出する。

 英語学力検査の得点で順位を決め、不受験者と英語学力検査の得点が同じ者のESAT-J結果を「3 評価の点数化について」に基づいてそれぞれ点数化し、その平均値により、不受験者の「仮のESAT-J結果」を求める。
 その際、平均値が18点以上はA、14点以上18点未満はB、10点以上14点未満はC、6点以上10点未満はD、2点以上6点未満はE、2点未満はFとする。

上の表では、英語の学力検査の得点が同じ者のESAT-J結果はAが3名、Bが5名、Cが2名であり、平均値は16.4点となるため、不受験者の「仮のESAT-J結果」はBになる。

 

2021年9月24日に発表された資料では、ESAT-J不受験者が不利にならないよう、学力検査の点数から仮のESAT-J評価を算出する旨が記載されていました。今回はその算出方法が具体的になったのです。

 

単純な数式(例えば、学力検査の1/5を計上する等)で計算するのではなく、今年度やそれ以降の都立高校入試を想定した合理的な計算方法。運の要素が出てしまう可能性はどうしても否定できませんが、それでも現状としては最適な対応策だと考えられます。

 

今回用意された別紙資料には、細かく、様々なケースを想定した内容が記載されていましたので紹介します。

 

 

 

6.ESAT-J不受験者のスコア算出詳細

東京都教育庁の発表では、ESAT-J不受験者への対応としての仮のESAT-J評価の算出方法について別紙資料が用意されています。(リンクは記事冒頭)

 

別紙資料には全部で5つのケースが想定されています。1つずつ分かりやすく解説しつつ、考えられる可能性について言及していきましょう。

 

①英語学力検査の順位が同じ者が10名以上いる場合

1.英語学力検査の得点で順位を決め、当該不受験者と英語学力検査の得点が同じ者を集計する範囲として定める。
2.1で定めた集計する範囲における受検者それぞれのESAT-J結果により、当該不受験者の「仮のESAT-J結果」を求める。

 

英語学力検査の順位が同じ者が10名以上いる場合

 

例として挙げられている表は10名ちょうどとなっていますが、得点が同じ受験者が15人いれば、15人の平均値を取るということです。最も平等なケースだと考えられます。

 

しかし、学校によっては受験者数が100名前後になるところもあります。そうなると、このケースに当てはまるのは得点の分布を考えると、かなり難しいと考えられるでしょう。。もしかしたら、受験者数が200名以上であっても、この範囲に当てはまるケースはむしろレアケースなのかもしれません。

 

年度による学力検査の難易度の違いにより、有利不利が出てしまう可能性があります。それに対して、他に4つのパターンも用意されています。

 

 

 

②英語学力検査の順位が同じ者が上下5名より少ない場合

1.英語学力検査の得点が当該不受験者と同じ者を除き、上下それぞれ5名以上になるように 英語学力検査の得点を上下それぞれ1点間隔で拡大し、集計する範囲の上限及び下限を定める。※ 集計する範囲内における人員は上下で等しいとは限らない
2.1で定めた集計する範囲における受検者それぞれのESAT-J結果により、当該不受験者の「仮のESAT-J結果」を求める。

 

英語学力検査の順位が同じ者が上下5名より少ない場合

 

もっとも多いケースとなるのがこちらの場合。上下5名以上ずつになるように、集計する範囲を拡大していきます。学力検査の得点が集計範囲を決める要因となるため、例えば、以下の場合にはESAT-J不受検者が有利になります。

 

  1. 不受験受験者の学力検査得点が40点
  2. 39点の生徒が5名(ESAT-J受験済)
  3. 41点の生徒が2名、42点の生徒が2名、43点の生徒が8名(全員ESAT-J受験済)

 

このような場合が発生すると、40点のESAT-J不受験者は自分より得点の高い受験者たちのESAT-J評価に影響されることになります。なぜなら、自分より得点が高い受験者は合計12名分、自分より得点が低い生徒は5名分。集計範囲の上下で2倍以上の差が出てしまうのです。

 

学力検査の得点、つまり、その時の運に大きく左右されるということになります。特に都立上位校の受験生で、英語スピーキングが極端に苦手な受験生の場合は、ESAT-J不受検者に該当した方がお得になる見込みです。ただし、前述の通り、ESAT-J不受検者になることは、困難を極めます。それこそ、かなりのレアケースになることでしょう。

 

 

 

③集計の範囲に他の不受験者がいる場合

1.英語学力検査の得点が当該不受験者と同じ者及び他の不受験者を除き、上下それぞれ5名以上になるように、英語学力検査の得点を上下それぞれ1点間隔で拡大し、集計する範囲の上限及び下限を定める。
2.1で定めた集計する範囲における受検者それぞれのESAT-J結果により、当該不受験者の「仮のESAT-J結果」を求める。

 

集計の範囲に他の不受験者がいる場合

 

こちらのケースは前述の①②のケースの両方で発生しうるものです。集計範囲内に他の不受検者がいた場合は、それを除いた上下5名以上の平均値を取ることになります。そのため、考えられる問題点や可能性も、①②と同様になります。

 

 

 

④不受験者の上下どちらかに5名以上いない場合

1.英語学力検査の得点が上に5名いない場合(下の表では、上に1名、同点に1名、下に10 名の場合を表している。)、上下合わせて10名以上になるように英語学力検査の得点を1点間 隔で上下へ範囲を拡大し、英語学力検査の得点を基に、集計する範囲の上限及び下限を定める。
2.1で定めた集計する範囲における受検者それぞれのESAT-J結果により、当該不受験者の「仮のESAT-J結果」を求める。

 

不受験者の上下どちらかに5名以上いない場合

 

こちらは最も不運な場合。せっかく学力検査で高得点をとっても、自分の順位がトップクラスだった場合、自分よりも学力検査の得点が低い受験者のESAT-J評価が影響するというケースです。ESAT-Jを受験しないことが不利になるパターンです。

 

英語に自信がある生徒はESAT-Jを受験しないことは、むしろもったいないということなのです。とは言っても、原則は公立中学校の3年生は全員受験をすることになりますので、不受検者の条件を見ても、ESAT-Jを受験しないという選択肢はほぼないと考えた方が良いでしょう。

 

 

 

⑤ESAT-J受験者が10名以上いない場合

1.集計が可能な人数を集計する範囲として定める。
2.1で定めた集計する範囲における受検者それぞれのESAT-J結果により、当該不受験者の「仮のESAT-J結果」を求める。

 

ESAT-J受験者が10名以上いない場合

 

こちらのケースは余程のことがない限り発生しないでしょう。しかし、可能性は0ではないので、念のために別紙資料にいれてあると考えられます。唯一考えられるケースは局地的にESAT-Jを受験できない事態が発生したときくらいでしょう。しかも、ESAT-J当日と予備日の両方で発生するという、かなりのレアケース。

 

こちらのケースはむしろ発生しないことを願いたいものです。

 

 

 

6.ESAT-Jの対策はどうする?

ここまで読んで頂いて分かる通り、今回の発表で明確になったのは、ESAT-Jを受験しないという選択肢はほぼないということ。そして、仮にESAT-J不受検者になっても、特別措置での対応があるということ。

 

特別措置も前述のように完璧ではないですが、現時点では最適な案だと考えられます。また、有利不利の話をしましたが、集計範囲の拡大は1点刻み。そこまで大幅な有利不利には、現実的には成り得ないでしょう。

 

さて、そうなるとESAT-Jの対策は必須となってきます。反対する団体の意見にも記載されていましたが、「学習塾に通っている生徒が有利になる」というのは正しいと思います。しかし、現実的には、学力検査の対策のためであったり、内申点を少しでも上げるためだったり、受験生のほとんどが学習塾へ通っているいるのです。

 

ということは、ESAT-Jの対策だけでなく、そもそもの学力検査でも通塾による有利不利はすでに発生しているということになるのです。簡単に言えば、「今さらそれを言って反対をしても…」ということなのです。

 

多くの学習塾や英会話スクールなどで、都立高校入試対策の一環として、ESAT-Jの対策は行われることでしょう。それに対して、東京都教育委員会は、自学自習でも対策ができるように、英語スピーキングの練習コンテンツを準備してくれています。

 

 

上記のサイトには、ESAT-Jの類似問題が用意されています。YouTube動画に合わせて答えていくスタイル。直前練習には最適です。

 

www.tgs.metro.tokyo.lg.jp

 

東京グローバルスタジオというサイトでは、小中高どの学年でも英語スピーキングの練習ができるコンテンツが盛りだくさん。これも無料で利用できるのです。東京都教育委員会の英語教育改革の本気度が伺えます。

 

これらの無料コンテンツの使い方や、ESAT-J対策の詳しい内容について知りたい人は、以下の記事も参考にしてみてください。

 

www.ritire60.com

 

 

 

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