こんにちは!PayPay経済圏の住人、教育業界20年以上のリタイア60です。
2022年11月。初めて中学校英語スピーキングテストESAT-Jが実施され、試験当日が近づくにつれて、関連記事のアクセス数が急増!
短期間で、約10,000PV、6,000人がESAT-J関連記事を閲覧してくれたニャ!
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そこで今回は、ESAT-Jの『Part D 』を分析し、その結果を元にした情報を提供します。
↓Part A の分析はこちら↓
↓Part B の分析はこちら↓
↓Part C の分析はこちら↓
1.出題傾向が変化?
①プレテスト令和元年・2年


令和元年と2年では、質問の英文が表示されている状態で解答する形式。そのため、英語のリスニング力は問われません。
英文が聞き取れなくて解けない!ということがないから安心だったニャ!
両方とも、質問内容は「What」から始まり、使う単語の縛りが少なめ。解答しやすい問題でしたが、令和2年の解答例が曲者。都教委が求めているレベルがどこか分からなくなりました。
令和2年の解答例はレベルが高すぎるニャ!こんなの無理だニャ〜。
令和2年は、それぞれ3つの英文で構成。この解答を1分間で考え、40秒間で話すのは、英検2級の生徒でも難しい。日本語で答える問題だとしても難しいでしょう。
そして、様々な意見や不満が飛び交う中、令和3年では急に出題形式が変更になったのです。
②プレテスト令和3年
質問の英文が画面上に出なくなり、高いリスニング力が求められる問題へ変化。さらに、解答例で「ESAT-J GRADE の指標」が提示されました。
GRADE A レベルについて都教委は「英検準2級」と設定しているけど、時間制限を考えると「英検2級」レベルだニャ!
キーフレーズが聞き取れなければ、解答することができないという難問に。リスニング力が低いと手も足も出ません。
なぜこのように問題が変化したのかは、後述する「次年度予想と攻略法」で記載します。それでは、ESAT-J本番は実際にどうなったかを見てみましょう。
2.ESAT-J本番はどうなった?
3回のプレテストを踏まえた結果、ESAT-J本場では、令和3年のプレテストが踏襲されました。
解答例はそれぞれ1種類ずつしか提示されませんでした。また、令和3年のように、ESAT-J GRADE の指標もありません。
「I think」から始まる解答例だから、Bレベルと予想できるニャ!
ここまでプレテストを含めて4回のスピーキングテストが行われましたが、問題も解答例も変化が多いPart D。なぜこの部分だけ変化が大きいのでしょうか?
秘密はIRTという統計処理にありそうニャ!
IRTでの統計処理では、受験生の理解度、出題難易度、運などといったパラメータをIRTの数理モデルに適用(統計的処理)して点数を算出。学力や理解度をより正確に評価します(出題の妥当性の評価もできるため、試験改善にも役立つ)。これによって以下のことが可能になります。
- 複数のテスト間の結果の比較を容易にする(ESAT-Jでは複数年間比較)
- 測定精度をきめ細かく確認できる
- 平均点をテスト実施前に制御できる
- テスト得点の対応表が作成できる
- 受験者毎に最適な問題を瞬時に選び、その場で出題できる(CAT)
※出典:豊田 秀樹 (著)「項目反応理論[入門編](第2版) 」
今までのような点数だけでは測ることができない能力差を測定することができるため、IRTはすでにTOEFLやITパスポート試験などで使われています。そして、IRTを活用するこでCAT(コンピュータ適応型テスト=直前の問題の正解、不正解に応じて、次の問題が変わるようなテスト)ができるようになります。
それでは、このような知識を踏まえた上で、次年度予想と対策法を見ていきましょう。
3.次年度予想と攻略法
①なぜPart D が変化したのか?
Part D に関しては令和2年の問題、つまり、英文が表示されている状態、読んで答えるという形式では高い達成度を示しました。
文章を読み、その内容について自分の意見を伝え、その理由を答えることはある程度できると判断されたのでしょう。
そこで、令和3年、つまり、英文が表示されない状態、英語を聞いて自分の意見と理由を答える形式に変更。結果は以下のようになりました。
達成度は一気に低下。表現する力、伝える力はある程度あるとしても、聞き取る力が不足しているということが露呈されました。
- コミュニケーションは話を聞くことができなければ成立しない。
中学生の課題が対話形式のリスニング力ということが明確になったのです。そうなると、今後、学校で行われるパフォーマンステストの重要度がより一層増すことになります。
②次年度予想と対策は?
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前置きの文章からもキーワードを聞き取れるようにすることニャ!
- PartDは出題形式は英文非表示の形式が今後も踏襲される。
- 質問の形式は上記①②のどちらも出題可能性あり。
都教育としても、作った学習動画や資料を存分に活かしてもらい、不公平感のなさをアピールしたいはず。
そのため、大幅な問題変更はこの先数年はないでしょう。IRTでスコア算出をしている以上、分析結果から、問題として不適切と判断されたプレテスト①②の出題形式は利用してこないでしょう。
ということは、リスニング力の強化も必須ニャ!対策法はどうすれば良いのかニャ?
Part D は英語の総合力を見られる問題です。そのため、残念ながら、直前での一夜漬けは価値がありません。逆に、直前対策が必要ない問題ということです。唯一やることは、答える時の「型」を身につけておくことです。
- I think ◯◯ because ▲▲. の型を完璧にする
- 自分が知っている単語や熟語を使う
これだけです。無理に背伸びした解答は必要ありません。自分の知っている言葉で、自分の意見とその理由を言えれば良いのです。Part D は気楽に臨むことが何よりも大切なのです。
4.お知らせ
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