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ESAT-J確認プレテストの結果からわかる4つの対策法

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こんにちは!PayPay経済圏の住人、教育業界20年以上のリタイア60です。

 

東京都英語スピーキングテスト「ESAT-J」。2022年11月27日(日)の本番を前に、3年間で計3回のプレテストが実施されました。直前の令和3年度確認プレテストでは、都内公立中学校の3年生約64,000人が受験。そして、2022年2月17日に東京都教育委員会より、今までの取り組みやプレテストの結果、考察が発表されました。

 

 

今回はこの結果について、資料から分かることだけでなく、筆者が東京都教育委員会に電話で直接問い合わせをしてわかった情報も含めて、ESAT-Jにおける大切なポイントを解説していきます。

 

生徒、保護者を中心に、学校や学習塾の先生など、英語教育に携わる全ての方に読んで頂ければ幸いです。

 

まだESAT-Jについて詳しく知らないという方は、以下のリンク先にまとめているESAT-J関連の記事を読んでから本記事を読むようにしてください(最低限の情報を有している前提で記事を作成しています)。

 

 

 

1.ESAT-J概要での見落とし注意

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ESAT-Jの概要(取組状況より抜粋)

 

今回、新たに公開された資料には見逃してはいけない重要なポイントがあります。

 

評価:スコア(※)及び都教委によるESAT-J GRADE(6段階評価)

IRT(項目応答理論)により、採点結果を統計的に処理し算出

 

馴染みのない方が多いと思われる「IRT」という言葉。統計学では新しい評価方法として以前から注目されており、既にいくつかの資格試験では用いられているスコア算出方法です。導入している代表的な資格試験は以下のものがあります。

 

  • TOEFL
  • ITパスポート
  • 英検CSEスコア

 

運や問題の難易度による能力判定の複雑さをもたらす要素を排除するように得点調整をするための統計学的な理論。事前に1問当たりの配点は定められていませんので、自己採点は不可能です。

 

受験者の理解度、問題の出題難易度、運などといったパラメータをIRTによる統計的処理をして点数を算出することにより、受験生の学力や理解度をより正確に評価できるのです。出題の妥当性の評価もできるため、試験改善にも役立ちます。

 

【電話で確認してみた!】
  • 東京都教育委員会に確認したところ、「ESAT-Jは英語のスピーキング力を総合的に判断する、アチーブメントテストです」という回答をもらいました。

 

これは何を意味しているのでしょうか?その答えは、以下のように推測することができます。

 

  • これまでのプレテストの結果及びこれからのESAT-Jの結果のデータを利用し、年度による難易度や平均点のバラツキを排除し、公平性を保った状態で、経年による正確な英語スピーキング力の達成度を測定していく。

 

現在でも行われている筆記試験とは違う方法で評価していくのがESAT-Jなのです。これを理解することで、必要な対策法が見えてきます。

 

2.結果概要からわかること

ESAT-Jでは、IRTによって算出されたスコアからGRADEがA〜Fの6段階に割り振られていきます。この結果によって、都立高校入試での総合点に0点〜20点が加点されます。

 

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スコアやGRADEの度数分布(取組状況より抜粋)

 

IRTによるスコア算出の特徴の1つとして、平均スコアが年度によってブレにくいという面があります。そのため、3回のプレテストにおいて、平均スコアにほとんど差がないことが上の画像から分かります。

 

ESAT-JのGRADE度数分布では、令和3年度確認プレテストでA評価が11.7%もいることにやや驚きました。同時に、F評価、つまり「0点」の生徒が1.9%1,200人程度いるという点も見逃せません。

 

【電話で確認してみた!】
  • 観点別評価(後述)のどれか1つが低くてもA評価になる生徒はいる(言語使用の観点など)。他の観点も含めて総合的に判断している。
  • F評価(0点)は、試験当日に何かしら英語で回答をしていても、スコアが足りなければ当然ついてしまう。決して無回答がこれだけの人数いたわけではない。

 

東京都として目指していることは、極論を言えば「全員がESAT-JのGRADEでA評価になること」と言っていました。仮にそうなると、IRTでの処理から、その時の問題が適切ではないと判断されると思うのですが…。

 

しかし、子供たちが英語を母国語のように当たり前に使えるようになることで、日本のグローバル化が加速していくのは間違いありません。その意味では、入試に利用する、しないは別として、ESAT-Jは重要なテストであり、日頃から英語スピーキング力向上に向けたトレーニングは必要だと考えられます。

 

3.観点別評価からわかること

【評価の観点】

(ア) コミュニケーションの達成度 [2 段階(0~1)] コミュニケーションの目的の成立

(イ) 言語使用 [5 段階(0~4)] 語彙や表現の使い方や幅広さ、内容の一貫性、論理構成

(ウ) 音声 [4 段階(0~3)] 発音、イントネーション など

 

ESAT-Jの採点は上記の3つの観点から総合的に評価され、スコアが算出されます。各観点にはそれぞれ評価の段階が用意されており、令和3年度確認プレテストの結果が公表されました。

 

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観点別評価の結果(取組状況より抜粋)

 

それでは公表された3つの観点それぞれの状況について確認していきましょう。

 

①コミュニケーションの達成度

Part B・C・D が対象。Part C・Dで達成度は低くなる(難易度が高い)傾向がある。全体のコミュニケーション達成率の平均をとると約50.03%。質問に対して的確に答えられている割合は半分程度。瞬時に答える即応力が明らかに不足していると考えられる。

 

瞬時に回答できるようにするためには、語彙力の向上と基本例文(空手の型のようなもの)の定着が必須。

 

②言語使用

Part C・D が対象。高評価である「4」または「3」を獲得できた受験者は1.0%未満。語彙力や表現力が受験生全体の課題であるのは明白。GRADEでA評価を獲得した生徒は11.7%なので、仮に言語使用の評価が「2」であっても、過去データとの比較や他の観点別評価の結果次第で高いスコアになることがある。

 

模範解答では、A評価とB評価のレベル目安となる解答が明示されたが、あくまでも参考程度。使える語彙や表現方法は多い方が良いが、試験当日は確実に使いこなせる単語や熟語、文法のレベルにとどめ、「伝えること・伝わること」に重点を置くことが大切。

 

③音声

Part A・C・D が対象。発音やイントネーションが評価される項目ですが、高評価の「3」を獲得できた受験生の割合は、Part C・D では1.6%Part A でも7%台です。前述の通り、GRADEのA評価は11.7%でしたね。つまり、音声の観点においても、最高評価を取らなくてもGRADEのA評価は獲得することができるということになります。

 

ESAT-Jのスコア算出に使われる統計学的処理のIRT。それぞれの観点別の評価で低評価にならなければ、全て完璧に出来なくても高いGRADE評価を獲得できるということがわかりました。

 

4.資料からわかる4つの対策法

ここまでは資料の分析や、そこから感じた疑問を東京都教育委員会に聞いてみた内容の報告でしたが、この後は、集めた情報から導き出された最良のESAT-J対策法をお伝えします。

 

ESAT-J(中学英語スピーキングテスト)対策法
  1. 語彙力:小中で学ぶ3000語以上が掲載されている単語帳を使うこと
  2. 基本例文:問題集などの導入文を反復練習(音声付がベスト)または教科書の音読を毎日実施
  3. 良質なアウトプット:東京都教育委員会が用意している教材(動画含む)で自習
  4. テスト慣れ:模擬試験を受ける

 

①語彙力

英語の学習に単語帳は必要不可欠。小中学校で学ぶ単語数3,000語前後が収録されている単語帳なら、どれを利用してもOKです。より良い単語帳を選ぶ時のポイントは、熟語チャンク例文が明記されているもの、つまり、英語を使うことが想定されていることです。

 

②基本例文

文法知識を習得する時によく利用する問題集選びも大切です。各単元の最初には必ず「基本例文」があるはずです。この基本例文が「シチュエーションを意識したやり取り」の形式になっているものが良いでしょう。

 

例文が一文だけ(文法の使い方のみ)の問題集は選んではいけません。文法の解説のみしか意識されていない問題集ですので、問題集全体として「英語を使う」ことの想定が弱い傾向があります。

 

③良質なアウトプット

身につけた英語の知識は使わなければ意味がありません。日本国内で英語を使う環境を考えると、オンライン英会話や学習塾など、やはりお金を支払わなければ難しいと考える方も多いはず。

 

  • 無料の英語スピーキング練習教材がある!

 

筆者の記事で何度か紹介させて頂いてますが、無料で英語スピーキングの学習、つまり、アウトプットするための教材を、東京都教育委員会が用意してくれています。

 

 

上記2つのサイトの使い方は筆者のESAT-J関連の過去記事で紹介しています。以下のリンク先の記事を参考にしてください。

 

 

④テスト慣れ

最後はテスト形式に慣れること。決められた時間内で考え、回答しなければならないESAT-Jの形式に慣れる必要があります。英語でのコミュニケーション力を測るテストですから、じっくり考えるという時間は与えられません

 

学校でもすでに「パフォーマンステスト」として、英語スピーキングのテストが実施されています。学校の授業での対策もできなくはないですが、学校のような集団形式では限界があります。自分で努力して機会を設けることが必要です。

 

ESAT-J対策の目標
  • Part A〜D を満遍なくできるようになること

 

どこかのPart「だけ」の対策では高いスコアは獲得できません。それがIRTによるスコア算出の影響です。全てのPartで一定の評価を獲得できるように、テスト全体の流れに慣れる必要があります。テスト慣れには「そっくりの模擬試験」を何度も受けることが大切。

 

最後の仕上げである「テスト慣れ」には費用がどうしても必要になります。この部分を削ってしまっては、これまでの努力が水の泡になります。念には念を入れて、そっくり模試を複数回受験するようにしましょう。

 

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