今回の記事は、まだ私が学習指導の現場にいた時に、いつも生徒達に伝えていた勉強についての例え話。
学生時代の私は野球バカと言われるほど野球に熱中してました。
それでも大学は無事に現役合格。
そこで、野球から学んだ勉強に関する話を中心に記載致します。
受験生を持つ保護者の方や、学生さん達に読んで頂くと、納得して勉強に向き合えるようになると思います。
素振りばかりじゃつまらない!
まず初めに、勉強も野球も、何事においても基礎練習は大切。
決して疎かにすることが出来ないもの。
そしてそれは反復をして、体に染み込ませなければならないものです。
ただ、そればかりではつまらない。
野球で言えば、
素振りだけやっててもつまらない。
ましてや、それだけでは野球が上手にならない。
- バッティング練習をしたり
- 守備練習をしたり
- サインの確認をしたり
- 紅白戦や練習試合でその成果を発揮したり
日々積み重ねてきた基礎を使う場面がないと、体験しないと能力は伸びません。
これは勉強でも同じこと。
例えば算数や数学。
計算練習は野球の素振り同様の基礎練習。
反復が欠かせません。
しかし、それだけを毎日毎日やっていても飽きるでしょう。
さらにそれだけでは、なかなか点数も伸びない。
基礎の計算練習がどこで役に立つのか。
- 文章問題で式を立てた後の答えまでの計算
- 関数での交点座標を求めるときの計算
- 図形での面積や体積を求める計算
これらはほんの一例。
算数・数学の学習ではたくさんの計算力を使う場面があります。
ただ単に「大切だ!」と伝えるだけでなく、これらを体験することが重要。
体験することで、基礎練習の大切さを「理解」できるのです。
基礎の徹底。
それが一体何に繋がっていくのか
どこで役に立つのか
つまり、
続ける意義や動機を本人が理解する、体験すること
これが必要です。
入試は公式戦!模試は練習試合!
殆どの人が「入試」というものを一度は体験するでしょう。
入試は、野球で例えれば「公式戦」
それでは、公式戦で実力を発揮する為に必要なことは何でしょうか?
もちろん、日々の鍛錬、日々の練習は大切。
しかし、それだけで公式戦は勝てません。
必要なのは実戦(実戦経験)です。
恐らく、どこの野球部でも、いきなり公式戦には挑まないはず。
必ず「練習試合」を行います。
練習試合は、その言葉通り、「試合」の「練習」です。
勝敗に拘ることも必要ですが、それだけに拘ってはいけません。
得るものが少なくなってしまいます。
練習試合の真の目的は「課題を発見する」こと。
- 打撃、走塁、守備のどこに課題があるのか?
- ミスが発生したら、それを防ぐためにどうするのか?
- 試合中の判断は全て適切であったのか?
考えればキリがありませんが、上記のようにチームの、本人の課題を抽出することが練習試合では重要であり、それを克服する為に、また練習をします。
さて、これを勉強に置き換えていきましょう。
先程も記載した通り、入試が公式戦。
すると、模擬試験が練習試合になります。
皆さんどうでしょうか?
模擬試験で、点数や結果ばかりに目が行っていませんか?
模擬試験で大切なことは、
何ができるようになって、何がまだできていないのか
これを把握することなのです。
野球の例と同じように、自分の課題を発見するための模擬試験。
課題や弱点を把握し、それを埋めるための努力、つまり勉強をしていくことが本当の模擬試験の意味。
- 順位が何位だったか?
- 偏差値がいくつだったか?
- ○○くん、▲▲さんより良かったのか悪かったのか?
こういうものは、本当にどうでもいいのです。
もちろん勉強に対するモチベーションアップに繋がるということもあります。
しかし、その効果はほんの一瞬。
保護者の方も、子供が低い点数を取ってきても怒らないようにしてください。
むしろ前向きにとらえましょう。
今、たくさん課題が見つかって良かったね
強豪校から学ぶ学習法
さて、ここまで読んで頂くと、野球と勉強は近い存在だと思ってもらえたはず。
もちろん、野球に限ったことではありません。
- サッカーでもテニスでも
- 剣道でも空手でも
- 演劇でも吹奏楽でも
何にでも共通しているのです。
だからこそ、学校には部活動があり、それも教育の一環となっています。
※もちろん他の意義もあります。
ここで、強豪校と呼ばれる学校に注目してみたいと思います。
特に全国大会に出るような学校をイメージしてみてください。
とても熱心に練習しているというイメージがありますね。
もちろんその通り。
そして、様々な番組でも取り上げられていますが、基礎練習を徹底しています。
さらに、練習試合や定期発表会など、数多くの実戦の場を設けています。
つまり、強豪校は知っているのです。
基礎基本が大切!
そして
実戦に勝る練習はない!
勉強も同じです。
模擬試験→課題の抽出→勉強→課題解決→再び模擬試験
このサイクルを何度も繰り返していくことが大切。
まさに、PDCAサイクルに近いものがありますね。
私の経験から言えることとして、
部活動を一生懸命取り組んでいる生徒は、勉強もすぐにできるようになる。
運動部でも文化部でも同じです。
だから、部活動ばかりで勉強していない我が子を怒らないようにしてください。
ここまで記載した通り、部活動からも勉強のコツを学ぶことができます。
勉強でも部活動でも実戦、実戦形式を多く経験し、そこから自らの課題を抽出し、課題解決に向けた努力を行うことが、真の意味での成長に繋がります。